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10‐11他人の不幸は思わず笑える絶妙なスパイス
「というわけで小向小夜が喋らないのは知っているのですわ」
「……………………(卑怯)」
「卑怯だと思いまして? 人間、普通に生活する、コミュニケーションするために重要なのは言語、言葉ですわ。喋らない方がおかしいんじゃなくって?」
確かに正論である。
でも……!!
「それだとしたって、俺たちとちゃんとコミュニケーションぐらい出来ている!!」
「他の人達に伝わらないと意味ないですわよ」
「だったら、紙とかケータイのメモ帳に書いて……!!」
「待たされる方の身にもなって下さいまし。日本人同志に通訳まがいなものは必要ありませんわよ」
くそ、思っていた以上に強い!!
もしかして言い合いに強い理由って……。
ふと笹ヶ峰の方を見やると。
笹ヶ峰は笑いを堪えていた。