【100回記念】むかしばなし・桃太郎
「急になんだ? 100回記念?」
確か、次は文化祭みたいな流れだった気がするのだが。
「あぁ、その事? それはね、私達で外伝のストーリーを勝手に作っちゃうって企画よ。ナレーションは私ね」
「メタ発言乙ネー」
「……………………(開始)」
急だなオイ!!
◇◆◇◆◇◆◇◆
『むか~しむか~しあるところに、それはそれは綺麗なお姉さんがいらっしゃい給いし候』
いや可笑しいだろ!! 誰だよ綺麗なお姉さんって!? てかおじいさんはどこ行った!?
『そんな美しくて美しくて非の打ちどころのないほど美しい、私』
お前かよ!! 自分のこと着飾りすぎだろ!! てか語彙力なんとかせいや!!
『そんな私が洗濯機をぐるぐるぐるぐる回していると』
まさかの手動洗濯機!? 微妙に最先端にすなや!!
『目が回ってしまいました』
知らんがな!!
『すると、それはそれは大きな桃が、どんぶらこどんぶらこと揺れていました』
それはお前が入れただけだろ!!
『その大きな桃を洗濯機から取り出し』
絶対桃を洗浄しただけだよな!!
『包丁で一口サイズに切っていると』
はい桃太郎死んだー!!
『桃から赤ちゃんが産まれました』
なんでだよ!! 切り刻んだだろ!!
『桃から産まれたM太郎です』
何故にM!?
『お姉さんはM太郎に名波真夫と名付けました』
M太郎じゃないんかい!? てか俺かよ!! 名字まで名付けてんじゃねぇよ!!
『それは仕様です』
答えてんじゃねぇよ!!
『因みに、本当の桃太郎って桃を食べて精力がついたお爺さんとお婆さんが交わって出来たのよ』
世知辛い世の中だな!
『まぁいろいろあって名波真夫は鬼ヶ島へ鬼退治に行くことになりました』
テキトーだなオイ!!
『綺麗な綺麗なお姉さんから綺麗な綺麗なお姉さんの手で作られた綺麗な綺麗な』
くどい!!
『きびだんごをもらった!!』
いい加減にしろ!!
『名波真夫は犬にきび団子を欲しがられたんだよ!!』
そのいい加減じゃなく!! ほどほどにしろっつってんだろ!!
『チッ』
今舌打ちしたな!?
『とにかく犬と会うシーンしろやオラ』
人が変わった!?
まあそれはともかくとしてだ。
犬役として出てきた露木が俺に向かって話しかける。
「オイ桃の字、腰につけている尻子玉を1個ワシに渡せば眷属になってやらぬ事もないガ?」
ゴメン、ツッコミどころが多すぎて理解不能。
「えっ? 昔の人ってこんな感じじゃないノ? 書籍に書いてあったの二……」
書籍と書いてラノベと読むよな!!
『名波真夫は承諾し、尻子玉を犬に献上して犬の家来となりました』
セルフ生類憐みの令すんな!!
『んで次猿やれや』
なんでココだけ乱雑なんだっつってんだよ!!
まあいい。
猿役の露木が俺に話しかける、てか犬兼猿なのな。
「ウキーキキキッ、ウキーッ、カンキッー!!」
なんで猿だけリアリティ追及してんだよ!! てか雨季乾季言うなし!!
「シュンキーッ、カキッ、シュウキーッ、トウキッ!!」
論点はそこじゃねえ!!
『猿はそう言うと名波真夫の大事な大事な玉を一個奪い仲間になりました』
下ネタじゃないよな!? 違うよな!?
『じゃ、キジは省略で』
オイイイィィィィイイイイィィィィイイイイィィィィイイイイィィィィ!!
『さてさてようやくたどり着いた鬼が島で待ち構えていたのは鬼でした』
飛ばすな飛ばすな!!
ともかく、鬼役として出てきた小向の様子を鑑みる。
「……………………(咆哮)」
うん、安定の小向クオリティ。
「鬼の字、観念して宝を我らに返せば命だけは助けてやってもよいゾ」
だからそのキャラなんなんじゃ!!
「カンソウキーッ、センタクキーッ、ジドウハンバイキーーッ!!」
うん、猿語でおk。
「……………………(怒号)」
どうしろと。
『さてさて、鬼に勝った名波真夫とその主人たちは宝物を持って家に帰りましたとさ』
最後まで雑だなオイ!!