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1‐1高校デビューならず
俺、高校一年生、名波真夫。
名前がちょっと女っぽい、ルックス普通、中身普通の思春期真っ只中である男子高校生。
名前の件を除けば、ハーレム系ライトノベルの導入としてはありがち過ぎてしょうもないように思えるかもしれない。
そういうラノベの主人公は一概にしてハーレムを鬱陶しいものとして避けているわけだが、それは男子として恥ずべきだと思う。
ハーレムなんてみんな憧れているに決まっているのだ。
というわけで、俺はハーレムを作ることを決心した。
しかし、いまだ俺のハーレム人口は0。
何故なら今日が登校初日だからである。
小中学校でことごとく失敗してきたという事もあるが、高校生には高校デビューという素晴らしいリセットボタンがあるのだ!!
これから頑張って『ハーレム王に俺はなる!!』という精神で行くので宜しく。
と言ってる束の間。
「ここは、どこなんだ…」
そう、俺は迷子になっていた。