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その4

プルルル、と琴理のスマホが鳴り、彼女はそれを見た。

「よし。準備できたみたいだ。行こうか。佐藤くん」

彼女はどこかへ歩き出す。


「ちょ、ちょっと待って!」

「どうした? 置いてっちゃうよ?」

彼女は歩く速度を緩めない。

……俺、この人苦手かも。


彼女に連れられ、車に乗り、野原までやってきた。

そこには「いのり」がいた。

……あれ? なぜここに?


「どうして不思議そうな顔をしている?」

「いのりから、同じ探偵社のメンバーだと聞いていないのかい?」

……聞いてない。


「またやったね、いのり。君はいつも説明が足りない。」

「まあ、いいや。じゃあ、頼むよ。」


琴理がそう言うと、いのりは右手を横に振りかざした。

なにかの音がして、「風」が射出される。

空気砲のように、それでいて鎌のような形を保って、

「それ」は野原の木を切り払ってどこかへと消えていった。


「おぉーーーー。」

パチパチ、と俺は拍手した。これが「魔法」か、と

「いや! じゃなくて」

「急すぎます! 心の準備できてなかったんですが?!」


「ああ、魔法撃ったよ。」

「過去形!」


琴理は言った。

「で、どう思った?」

「ど、どうとは? まあ、初めて魔法見たからすごいなぁ、と」

うーん、小学生の感想。


「よし、いのり。もう一度だ。」

「佐藤くん。今度は「ちゃんと」見るんだ」

は?! え! 何を?!


いのりは同様に手をかざした。

とはいえ、出るのは同じでしょ?

じゃあ、いのりさんでも見てみる?


いのりの胸元が「白」く光り、その光が右手をたどった――気がした。

その後、同様の魔法が繰り出された。


「で? 佐藤くん。どう思った?」

「……なんか、胸元がキラキラして、」

いのりは胸を隠す。そんな意図はないよ……

「で、その「白」いキラキラが右手に向かっていった?」


「うん。どうだい、いのり?」

「変態だと思います。」

「うん。私もだ。」

泣いていいですかね?


「でも、適性はありそうです。」

「同様の意見だ。」

「よし、佐藤くん合格だ。うちに入りたまえ。」


俺は目をパチクリとさせた。

「う、うち? 探偵になれと?」

「そういうことだ。適性検査だ。気づいてただろ?」

「い、いや。探偵になりたいのではなく、魔法を使いたいんですが」

「でも、「地」の魔法使いを倒したいんじゃないのかい?」

は? 「魔王」のこと? 女神様、魔王は「地」だと言ってたよね?


「うーん。君は表情に出すぎだ。それじゃ、探偵失格だ。」

か、カマ掛けやがった、この女!

「「彼」は魔法を覚えたからといって倒せるような「人間」ではないぞ?」


ちょっと待って。魔王、もしかして人間?

それともただの人違い?

もしかして、あの女、人殺しを強要してるの?!

つらい、胃が痛くなってきた……


「……あなた、何者ですか?」

「自己紹介したじゃないか。青明琴理さんだって。」

「正体を聞いてるんですが、」

「人間。」

だめだこりゃ。話にならん。

……ただ、従うしかなさそうだ。


「はあ、わかりました。」

「なりますよ。探偵。あと、魔法も教えてくれるんでしょうね?」

「もちろん、そのつもりだ。でないと、私も困る。」


琴理の差し出した右手を合わせ、握手した。


「よろしく。佐藤祥也くん」


はあ、引っ掻き回されそう……


女神様の声がした。

「別に探偵になるのはいいんですが、」

「「魔王」討伐の意図を感じなければ、毎日深夜二時にお声がけしますね。」


うーん、睡眠妨害。

美女のモーニングコール(深夜)だ。テンションが上がってきたぜ……


まあ、ひとまず、

職をゲットです。


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