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その3

「いのり」という名前の女性に連れてこられたのはいいんですが……


彼女は言った。

「魔法、覚えたいんですよね? 理解したいだけではなく……」

「ええ、そうなんですよ。」


お、この子が教えてくれる流れか?


「わ、わかりました。では……」


……行っちゃったよ。


気を取り直し、図書館に入る。

あまりきれいではなく、公民館のような少し古くさい香りがした。


まず、「魔法」タグを調べます。そもそもタグがありません。

「科学」タグの本をざっと見ます。魔導書はありません。

「ま」行タグを見ます。魔導書はありません。


……


はい。一人で調べるの諦めました。

司書さんに聞きます。


「すみません。ここ、魔導書って置いてます……?」

司書は答えた。

「ま、魔導、書? ええっと、そんな物……」


嘘つかれたか? これ


司書は目をパチクリさせながら言った。

「あ、あれのこと? ええ、まあ多分ありますね。」

「ご案内します。」


「これです。」

司書はくすくす笑いながらどこかに去った。


うん? 

なにか引っ掛かりますが、ようやっと魔導書とご対面です!


そこにはこんな本が

――

絵本

「こどもでもわかるまほう」

――


俺は唖然とした。

ああ、それで笑われてたのね……

大人が真面目に絵本探してたわけだ。「魔導書」とかカッコつけて


まあ、ただ子供ですら知っているような「魔法」の常識を知らないのも事実。

食わず嫌いしてないで、絵本を読んでみよう。


――

「こどもでもわかるまほう」


「さて、みんなはどんな魔法を使えるかな? 見てみよう。」

「あれ、あの子は鼻がむずむずしているよ?」

「あ! クシャミだ! 一緒に「水魔法」も出ちゃったみたい……」

「お母さんといっしょに仲良くふこうね。」


「次の子は、お腹いっぱいご飯食べたみたい。」

「おいしかった顔をしているね! あ、ゲップが出ちゃった。」

「一緒に「火魔法」も出ちゃった。恥ずかしいよね……」

「お姉さん、見なかったことにしてあげるから……」


「あれ、あの子は転んでこけちゃったみたい。痛そうだね……」

「周りの落ち葉が片付いてるよ? 一緒に「風魔法」出ちゃったのかな……」

「まあ、片付いてよかったね!」


「おしまい」

――


な、なにもわからん……


というかあれ? 魔法3種類?

魔王と三天王になぞるなら4つ。「地魔法」が足りないのでは?


いや、そんなことより、

先程の司書さんに絵本を持って駆け寄った。


「ちょっと、困りますよ! これ絵本じゃん。」

「しかも、魔法の覚え方、載ってないし!」

「は、はい? そう言われましても、うちには「魔導書」なんてそんなもの……」

「た、頼みますよ! これが最後の希望なんです!」

「魔法がなきゃ、またアリぷちぷち生活に戻っちゃいます!」


そんな無茶なお願いをしている俺に声がかかった。

「ちょっとそこの君。」

「だめだよ。そんな無茶なこと言ったら。司書さん困ってるじゃないか」


振り向くとそこには、

黒髪の利発そうなそれでもどこか快活さを感じる女性が立っていた。


「もしかして君かい? いのりが言ってた子。」

「魔法、覚えたいんだろ?」


俺は聞いた。

「な、なんでその事を? いのりさんの知り合いで?」


「そう、いのりに教えてもらってね。」


少し間を置いてから、答えた。

「青明 琴理、探偵をやっている。」

「よろしく、坊や。」


うん。言ってよ。いのりさん

「教えれる人、連れてきますね」の一言ぐらい。


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