その2
さて、ひとまず「Googleマップ」で「魔法学校」、「魔法」、「魔導」で検索をかけた結果、
着きました。ここ「上村魔導店」!(距離600mでした……)
「いらっしゃいまーす。」
「お? あんちゃんどうした? 何用だい?」
うん。はげの店主。定番だ。
「親父! 魔法を覚えたい?」
「あ? よそ当たりな! ここは「魔導店」だぞ?」
あ、あれ? だめ?
店主は、急に愛想を振りまくように喋った。
「いやいや、お客様。それでも、「魔法」使いたいでしょ?」
「お見せしますのは、こちらの商品!」
「まず! 魔力を込めると風が出る棒だ!」
……持ち運び扇風機、だね。
「次はこいつだ! 魔力で着火できるぜ?! キャンプにもってこいだ!」
……ライターでしょ、それ。
「こいつはどうだ! 魔力でこねれる土だ!」
……ただの粘土じゃん。
「最後はこいつ! 魔力で水が出る筒だ! 水源はいるがな。」
……蛇口でいいね。
いや、全部ただの面白グッズじゃん……
……
いや、ここはあえてわかってる風を装おう。
「店主。馬鹿にしないでくれ。俺は「本物」を見に来たんだ。」
店主は不敵に笑った。
「ふふふ、にーちゃん。いいね。」
「じゃあ、うちに秘蔵っ子をだそう! なんと、こちら……」
「待った。にーちゃん、予算は?」
あ、やべ。金ねーや。
明らかに俺は顔に出ていたのか、
ぴ、ぴ、ぱ。 三回の電子音が店主の弄るスマホから聞こえた。
あれ? これ金ないのバレたか?
もしや、「1・1・0」?
「お、親父! まずい! それはまずい! 警察はやめよう! な?」
「な、なんだ、お前! いや違うぞ? 俺は、そう、急に実家のおっかさんに電話しなきゃで!」
「絶対ウソじゃん! なんで今お母さんの声聞きたくなんだよ!」
「あの……」
「馬鹿野郎! 息子は母親の声聞きたいもんだろうがよ!」
「ただちょっと恥ずかしいだけなんだよ!」
「す、すみません。」
「今、その勇気出さなくていいから! な? 電話は一回置いてくれ?!」
「すみません!!!!」
2人で声のする方を見るとそこには、栗色の髪を持つ女性が立っていた。
ぱっと見は同年代くらいで、どこか落ち着いた雰囲気だ。
その子は商品を見せ、
「これ。買いたいんですが……」、と
「……いらっしゃいませ~。」
「なんで、お前が言うんだ、バカ。」
店主にしばかれた。
事情をざっくり話すと、
店主はため息をついた。「やっぱ、金ねーんじゃん。」
まあ、それは素直に謝るしかありません。
ごめんなさい。
「無料で魔法を学びたいなら、いいとこがありますよ?」
魔導書が置いてて、しかもタダ、だとか。
この世界にはそんな素晴らしい場所が?
なんて都合がいいんだ。
――
「ここです。」
彼女に案内された魔導書が置いてある建物。
宮崎市稲葉町立図書館――。
「図書館じゃん!!」
俺は膝から崩れ落ちた。




