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第32話 エルナは僕が守るから

 エルナの足を蝕んでいた毒は消えていき、エルナはレオに向かって歩みを進めていく。


「まさか、覚醒させようっていうの? させないわっ!」


 魔女はそう叫びながら、エルナに攻撃を仕掛ける。

 茨の蔦と無数の棘がエルナを襲うが、その攻撃をエルナは光の魔術で跳ね返した。


「うぐっ!」


 魔女はエルナの反撃を受けて、自らの攻撃で手傷を負う。

 エルナはレオのもとへたどり着くと、茨の檻から彼を解放した。


「レオくん」


 そして、エルナは光の魔術をレオに注ぎこんでいく。

 眩いほどの光がレオの身体にどんどん入っていき、みるみるうちにレオは成長していく。


 そして、光を吸収し終えると、彼は新しい真の姿へと変わった。


「これが、レオの本当の姿か……」


 クラウスは伝承の文献で見た彼の姿と照らし合わせる。

 成人男性のような背丈に、絹のような白く長い髪、そして赤い瞳はきりっとして美しい。


「これが、レオくん……?」

「ありがとう。エルナは僕が守るから」


 レオはそう言って跪き、エルナに誓いを立てると、魔女へと向き直す。


「レオ……レオおおおおおおおおーーーーーー!」

「『災厄の魔女』メイリス、僕がこの手で葬ってあげよう」


 レオは魔女の攻撃をひらりと躱し、光の玉をつくって魔女に攻撃していく。

 その間にエルナはクラウスのもとへ向かい、彼の傷の手当てをおこなう。


「エルナ」

「クラウス様、大丈夫ですか!」


 まだうまく扱いきれないが、先程レオに与えた時のことをイメージして、もう一度クラウスに光を与える。

 すると、クラウスの受けた傷がどんどん回復した。


「よかった……」

「ああ、どうやら外部だけでなく魔術力も回復したようだ」

「クラウス様、この力……」

「ああ、おそらくレオの『親』としてお前が覚醒したのだろう。俺の魔術を受けて感化されたか、あるいはレオの子育ての中で覚醒していったか。どちらにせよ、レオが覚醒した」


 クラウスは再び立ち上がって魔女を見据える。


「この機会に魔女を一気に倒す。だが、なぜかさっきからレオが圧されている」


 その言葉通り、レオは魔女の反撃にあっていた。


「くくくっ! 所詮、こんなものよ! 貴方達を滅ぼしてしまえば私は、解放される!」

「そうはさせない」


 レオは光の刃をつくり、魔女へと攻撃するが、茨の棘で全て弾かれてしまっている。

 エルナはその戦況を見て自分も戦おうとするが、クラウスに止められてしまう。


「無理だ。レオで圧されている現状で勝ち目はない」

「そんな……」


 クラウスは伝承の文献を必死に思い出して、魔女を倒す手がかりを探す。

 その時、ひとつの案が浮かんだ。


「グユアだ」

「グユアって、あの鳥が羽を置いていくことがある幸せの花の?」

「ああ。その花のエキスなら、魔女を倒せるかもしれない。もともと災厄の魔女は、人間だった。それを魔女になるために、自らの大事なものを差し出したと書いてある。それが、彼女にとってはグユアだったらしい」


(グユアの花……この辺にあるか探して……あっ!)


 その瞬間、初めてレオが葉を食べた時のことをエルナは思い出す。



『この羽、レオくんの背中の羽みたいに真っ白だね』

『うう? あいっ!』

『うわ~! 可愛い!』

『レオくんに、幸せが訪れますように』



 レオとの会話を思い出したエルナは、急いでクラウスに告げる。


「レオくんが持ってます! その花にあった羽を!」

「ほんとうか」


 レオの髪には確かに羽がついている。

 その真っ白い羽は戦闘の中でもまだ彼を守るように、髪に飾られていた。


「俺が魔女を引きつける。その一瞬で、お前はレオにこのことを伝えろ」

「分かりましたっ!」


 エルナとクラウスは息を合わせて動き出すと、クラウスは魔女に攻撃を、エルナはレオに向かって叫ぶ。


「あら、傷が癒えたの? 何度きても同じよ」

「いい、一瞬の隙さえ作れれば」

「なに?」


 魔女が怪訝な顔をした直後、レオが魔女の後ろに回っていた。


「なっ!」


「この羽でお前を倒す」


 レオは髪飾りの羽をとると、光を込めて魔女の心臓めがけて投げた。


「ぐはっ!」


 その瞬間、魔女の脳裏に昔の記憶がよみがえってきた──。

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