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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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第47話「詩音先輩、保健室で“癒し系ナースポエム”を朗読」

保健室にも現れる文学の申し子・詩音先輩。

今日の処方箋は、やさしい詩の湿布――心にしみるやつです。

昼休み。今日も我々は平和に購買戦争を終え、パンをかじっていた。

すると、放送が流れた。


「本日、保健室にて“癒し系ナースポエム”の朗読会が開催されます。

心のケガにも効く、文学の湿布をご用意しております」


「……え、何それ新手の治療法!?」

「湿布って言ったよね!? 文学で冷やすの!?」

「絶対詩音先輩関係してるやつだこれ!!」


急いで保健室に向かうと、そこは白衣を着た保健の先生と、

その隣でやけに真面目な顔をした詩音先輩が座っていた。


「本日は、心がしょんぼりした皆さんに

 “優しみ成分98%”の詩をお届けします」


「残りの2%は何!?」

「多分“やらかし”成分だと思う……」


詩音先輩が、包帯のような白い詩集を開いた。


「熱が出た日 だれかが

おでこに 手を置いてくれた

それだけで

世界はちょっと優しくなる」


「……あれ、ちょっと涙腺きた……」

「おでこに手、めっちゃわかる……子どもの頃のやつ……」


続いて、もう一編。


「転んだら

痛いねって

言ってくれる人が

いる世界で

よかった」


「わぁあああああん! なんでそんな優しいの!?!?」

「これ、心がくしゃくしゃの時に読んだら泣くやつだ……!!」


保健の先生も「これは処方していいレベルね」と太鼓判。


「ちなみに、本日の処方はこちらです」と

詩音先輩は“文学湿布”と書かれた謎の短冊を配布してきた。


そこには、一人ひとり違う短い詩が書かれていた。


こよりのには――


「お疲れ様

ちゃんと見てるよ

あなたのがんばり」


「ぐうううぅぅぅ……!! これは……効く!!!」

「湿布というより、じんわり貼りつくお守り……!」


先生「これ、保健室の常備薬にしたいくらいね」


「……いや、もう常駐してくれ詩音先輩」

「それ、全校生徒のHP回復アイテムになる……」


こうして、詩音先輩は保健室の癒し系ポエマーとしても

しっかり爪痕――いや、軟膏のごとく残していったのだった。

今日の一句(保健ver):

「涙より 先に染み込む やさしい詩」


次回、詩音先輩――音楽室で“クラシック詩の即興セッション”に挑戦!?

詩と旋律の融合で、音楽室がまさかのライブ会場に――!

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