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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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第46話「詩音先輩、体育祭の応援合戦で“詩的応援コール”を作詞」

体育祭に文学を持ち込む勇者、詩音先輩。

“応援”の在り方すら詩にしてしまう彼女が、今、運動場の空気を変える!

季節は体育祭。校庭に響くのは、太鼓の音と――


「青組いくぞー! おーっ!!」

「赤組負けないぞーっ!!」

「黄色組、声ちいさーい!」


……などという威勢のいい掛け声の中、


「赤き炎よ 心を燃やせ 跳ねよ我らが鼓動とともに――」


「……誰だ!? 応援コールに詩を読んでるやつは!!」


いた。やっぱりいた。

詩音先輩、ついに応援合戦にポエムをぶちこんできた。


「これより、詩的応援演舞を開始いたします」

と、赤組の応援団の中央で、詩音先輩がマイクを持った。


「やばい、ついに体育祭に文学持ち込んできた……!」

「しかもマイクでやる気か!? 校長の挨拶より長くなりそう!」


先輩は、赤組の応援団員に向かって指をさし――


「詠えっ!」


すると、応援団全員が詩的なコールを叫び出した。


「風になれ 赤き旗よ 誇りを揚げよ!」


「走る背に 夢を乗せて 今ここに!」


「転んでも 立ち上がるのが 赤魂あかだましい!」


「すごい!!

 なんか熱いのに文学的!!」

「聞いてるこっちも“心の行間”が震えてる!!」


青組応援団は焦る。


「おい! こっちも詩やるか!? “全力出して 勝利をつかむ 俺たちさ”みたいな!?」

「それ、五七五じゃなくて五七五プラスα!!」


一方の黄組は、


「うちは元気出していこう! オーエス! オーエス!」

「やっぱシンプルが一番! それかバナナの被り物!!」


詩音先輩は締めの一句を高らかに詠んだ。


「この一歩

背中押したる

声がある」


「詩なのに、応援になってる!?」

「むしろ詩だからこそ、効いてる感じある!!」

「ってか赤組、今年めっちゃ士気高いんだけど!!」


――その後、赤組はリレーで劇的な逆転勝利を収め、

体育祭のMVPには“応援団長 詩音”が選ばれた。


「運動は苦手ですが、言葉は走らせました」


……そう、体育祭の熱気は

詩の力によって、静かに、でも確かに加速したのだった。

今日の一句(応援ver):

「走るより 言葉が飛んだ 運動場」


次回、詩音先輩――保健室で“癒し系ナースポエム”を朗読!?

風邪もケガも気持ちから。言葉の絆創膏、貼ります。

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