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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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43/50

第43話「詩音先輩、購買で“食レポポエム”を始めて売り切れ続出」

購買に現れた詩人爆誕!?

詩音先輩の“食レポポエム”が今日も購買を混乱に導きます。

昼休み、購買前に異様な行列ができていた。


「なにこれ!? いつもより人多くない!?」

「まさか……パンが値上げ?」

「いや、これはきっと“あの人”の仕業だ――」


そう、行列の原因は――


**詩音先輩による“食レポポエム”**の影響だった。


「本日の一品、“焼きそばパン”について詩を捧げます」

と、先輩は購買前に立ち、短冊を掲げた。


「焦げの香 午後への元気 はさみこみ」


「うわあああ急に食べたくなってきたあああ!」

「なにこの購買誘導詩!? 絶対営業効果出てる!!」


続いて、


「チョコパンは 甘さで包む 後悔を」


「後悔って何!? でもなんか刺さるうううう!!」


購買のパン棚は、いつもの1.5倍の速度で消えていく。


「おい! 詩に踊らされるな! 冷静に考えろ! 焼きそばパンは普段も美味いぞ!」

「でも今日の焼きそばパンは、“焦げの香”なんだよ!!」

「詩の力で錯覚が強化されてる!!」


購買のおばちゃんも笑顔で言う。


「この子が詩を読むようになってから、売れ残りがなくなっちゃってねえ。助かるよぉ」


しかも、詩音先輩は日替わりで「今日の一詩いっし」を掲げている。


この日の詩は購買横に貼り出され――


「お昼時

一人で食べる

パンの味

誰かと笑えば

ちょっと変わるよ」


「うわ、これは……購買詩なのに、じわっとくる……」

「いや、購買詩って何!?」

「そして私は今日もぼっちパン……泣けてきた……」


購買に並ぶ生徒たちは、詩を読み、パンを選び、

そしてどこかいつもよりやさしい気持ちでベンチに座っていく。


「詩は味を変えません。

 でも、“意味”は加えられるのです」


そう言って微笑む詩音先輩の横では――


すでに焼きそばパンもチョコパンも完売していた。


「……ねえ、結局、今日のお昼どうする?」

「詩だけでお腹がふくれる世界線は、まだ来てないんだよね……」

「こより、詩音先輩の“空腹ポエム”を詠んでくるんだ!!」


こうしてまた、昼休みの購買は“言葉”によって席巻されたのだった。

今日の一句(購買ver):

「味じゃない 意味で買わせる この言葉」


次回、詩音先輩――理科室で“元素記号ポエム”を発表!?

理論と詩情の衝突。元素が詩に恋をする!?

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