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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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41/50

第41話「詩音先輩、校内放送で“五七五だけの昼のお知らせ”を敢行」

詩音先輩、ついに校内放送ジャック!

五七五で校内を支配する日がやってきました。いらない支配力!

昼休み直前、校内に不穏な沈黙が流れた。

放送室前に「詩音侵入」の情報が走ったのだ。


「……またやってる!!今度は放送室か!!」

「誰が詩音先輩にマイク渡したのよ!!」

「こより! これは“止められないやつ”だ!!」


そして――チャイムとともに校内放送が始まった。


ピンポンパンポーン♪


「本日のお昼放送は、特別仕様でお届けします。

五七五だけで伝える、昼のお知らせです。詩音より」


「うわああ始まっちゃったあああああ!!!」


放送室では、詩音先輩が静かに息を吸い――


「給食です

今日のメニューは

シチューです」


「配膳係

遅れるときは

走らずに」


「落とさない

牛乳は大事

骨になる」


「わりとちゃんとした放送してるーーー!!」


しかしここからが本領発揮。


「廊下には

夢と希望と

教頭が」


「え!? 教頭先生突然出てきた!!」

「むしろ教頭が夢と希望なの!?」

「どちらかと言うと“威圧感”で構成されてる気がするんだけど!」


「窓の外

雲のかたちに

推しを探す」


「恋のうた

今日はこよりの

髪ゆれて」


「えええええええ!? 私が詠まれたあああああ!?」

「なんで昼の放送で告白みたいなことすんの!?」

「しかも詠まれた側の反応が毎回新鮮すぎる!!」


そして、詩音先輩の放送は最後まで五七五で貫かれた。


「では最後

ご清聴への

感謝かな」


「ピンポンパンポーン♪」


チャイムの音が切れると同時に、校内はざわつきに包まれた。


「……何だったんだ、今のは」

「いやもう、“詩で乗っ取られた昼”としか……」


その日、昼休みはどこかふわふわした空気で始まった。

短い言葉だけで伝わる“何か”に、みんながざわついていた。


そして――放送室を出てきた詩音先輩は、

淡くほほ笑んで言った。


「たまには、五七五で世界を見るのもいいものです」


……こうして、またひとつ詩音先輩の“やらかし伝説”が更新されたのであった。

今日の一句(放送ver):

「短くも 詩が染みわたる 昼の鐘」


次回、詩音先輩――保健室で“心の処方箋ポエム”を配り始める!?

詩が薬になるのか、むしろ副作用が気になる次回です!

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