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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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39/50

第39話「詩音先輩、理科室で“詩×化学反応”の即興実験を始める」

理科室がまさかの詩ラボに!?

詩音先輩、言葉と試薬を混ぜて何かが爆発しました。たぶん心。

放課後、理科準備室の前。

こより・すず・ゆいの3人が眉間にしわを寄せていた。


「……ここ、なんかいつもより詩のにおいがしない?」

「うん。理科薬品の刺激臭と、詩音先輩の香水が混ざってる……」

「ていうか、先輩なんで理科室にいるの!?」


中をのぞくと、そこには白衣を着た詩音先輩。

なぜかゴーグルをつけて、試験管を振りながら笑っていた。


「科学と詩の融合――

 それが“リアクション・ポエム実験”です」


「化学反応と詩を混ぜちゃダメでしょ!!!」

「ていうか爆発しそうなんですけど!?」


説明しよう(詩音先輩いわく)。

今日は、生徒たちの“感情のキーワード”を試薬名に見立てて混ぜ合わせ、

どんな“詩的化学反応”が起こるかを見る授業(非公式)らしい。


「例として――“孤独酸”に“笑い水”を混ぜると……」


ボフッ


試験管から泡があふれ、

詩音先輩はサッと短冊にメモを書き始めた。


「笑われてもいいと思った日、

それは自分の孤独を許せた日」


「……なんかいい感じになってるの悔しい!!」


こよりたちもやってみることに。


すずの組み合わせは「眠気亜鉛」+「音楽反応液」。


→結果:やたらスローテンポな泡と共に


「音の波に、まぶたが降伏する」


ゆいの組み合わせは「怒りヨウ素」+「友だちバッファ液」。


→結果:ちょっと爆発音


「怒ったふりして、本当は笑ってほしかったんだよ」


「ねえ、地味にみんなポエムの才能あるのやめて?」


最後にこよりが混ぜたのは――

「照れカルシウム」+「青空抽出液」。


試験管の中で、淡い水色の泡がぽこぽこと弾ける。


「青空を見上げたら、

君の名前がすぐに出てきた。

……それがちょっと悔しい午後」


「……ちょっと待って、それガチじゃない!?」

「誰!?誰を思い出したの!?」

「詩音先輩、こよりから何を引き出してるのよ!!」


実験はすべて終了。

理科室の空気は甘い香りとちょっとした爆発臭に包まれていた。


「科学も詩も、混ぜることで世界が変わるのです」


詩音先輩は満足げに、試験管を光にかざした。

その中には、確かに“心の変化”が詰まっていた――気がする。

今日の一句(化学ver):

「混ぜたらね ちょっとだけ好きが こぼれ出す」


次回、詩音先輩――美術室で“絵に添える詩”展を勝手に開催!?

キャンバスが詩人のフィールドになる回、開幕です!

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