表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/50

第37話「詩音先輩、図書室で“本と交換できるポエム”フェアを開催」

詩音先輩、今度は図書室に進出!

「本とポエムの物々交換」という誰も思いつかない施策をやってのけました。

昼休み、静まり返った図書室。

本を探しにきたこよりたちは、入口に立てられた奇妙な立て札を見つける。


「本を借りたい方は、ポエム一篇をお納めください」


「……え、通行料的なやつ??」

「また詩音先輩でしょ!?」


予想通り、カウンターには詩音先輩。

司書の先生も半笑いで見守っている。


「本にはことばが詰まっています。

 なら、借りる際にもことばで返礼を――それが“詩の交換制度”です」


「本屋じゃないからね!?これ図書室だからね!?」


ルールはこうだ。

好きな本を借りるには、その本を読んで感じたこと、あるいは今の心情を短いポエムにして提出する。


すでにカウンターの横には、“返礼ポエムBOX”が設置されていた。


中をのぞくと、たくさんの生徒たちの詩が集まっていた。


『星の王子さま』

「たいせつなものは、閉じたページのなかにまだ光ってた」


『走れメロス』

「走る理由は愛だった。

……でも私は体育が嫌いです(泣)」


『保健の教科書』

「心も身体も、ときどき読み直したくなる」


「地味にセンスあるの多くて悔しいんだけど!?」


詩音先輩は、集まった詩を読んではうなずき、時々ニッコリ。


「皆さんの“ことば”は、きっとまた別の誰かが読む物語の鍵になります。

 言葉は循環するんです。ページのように」


こよりも渋々、好きな絵本を借りるため、詩を書いて提出した。


『ぐりとぐら』

「たまごのカステラ、思い出はふわふわの味」


「……よし、借りていいわ。これは良ポエム」


「なんで詩音先輩にジャッジされなきゃいけないの!?」


図書室はその日、ほんのり静かで、やさしい笑いに包まれていた。

文字の海の中で、誰かの詩がまた新しい物語を開く――


今日も文学少女は、静かな嵐を本のあいだに起こしていた。

今日の一句(図書室ver):

「読むたびに ことばと心が 貸し借り中」


次回、詩音先輩――屋上で“雲の名前に詩をつける”空想天気予報回!

雲ひとつで校内が詩的にざわつく!? 空の詩人、現る!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ