表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/50

第36話「詩音先輩、体育館で“走る詩”の授業を始める」

今回はまさかの体育コラボ回!

詩音先輩、体力テストも文芸的に変えてしまいました。これもう革命では?

「次の授業、体育だよー。走りたくないなー」

「全員、気合入れろー!今日は持久走だー!」


体育館に入ったこよりとすず、ゆい。

そこに、なぜか短パンジャージ姿の詩音先輩が――


「本日は、“走る”の時間です」


「体育に詩人が混ざってるのおかしいでしょ!?」


どうやら詩音先輩、体育教師と組んで新たな授業を考案したらしい。

名づけて、“走りながら思いついた言葉を詩にする”ワークアウト。


「息が切れても、心は動く。

 走るという行為は、内なることばを呼び起こすのです」


「……いや、それ普通ゼーゼー言って終わるやつだから!?」


授業開始。

生徒たちはぐるぐる体育館を走らされ、途中で手渡されるのはなんと“詩メモカード”。


「苦しい時こそ、自分に浮かんだ言葉を!」

「そんな余裕ないです!!(全員の心の声)」


それでも、走り終えた後には――


「息が苦しい。でも、生きてるって感じがする」

「何も考えられない時間が、逆に大事なのかも」

「もうダメだと思ったけど、足だけは勝手に動いてた」


「……なんか、意外と詩になってる?」


詩音先輩はそれらのメモを読み上げ、体育館の真ん中でまとめ始めた。


「走ることは、心の言い訳を振り切ること。

遅くても、苦しくても、前に進んでいたあなたが、

今日のいちばんの詩でした」


体育教師もうなずく。


「この子、マジで体育にも文学持ち込んでくるな……」


運動が苦手なすずも、最後には小さな詩を残していた。


「走るの苦手。でも友だちが笑ってくれた。

それが私のゴールです」


……なんか、今日の体育、すごくあったかかった気がする。


体育館に吹く風すら、どこかやさしくなった午後。

文学少女はまたひとつ、学校の常識を走って飛び越えた。

今日の一句(体育ver):

「走るたび ことばも一緒に 汗になる」


次回、詩音先輩――図書室で“本と交換できるポエム”フェアを開催!?

貸出条件:一篇の詩を置いていってください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ