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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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35/50

第35話「詩音先輩、保健室で“心の処方箋”を配り始める」

詩音先輩、今度は保健室で“心の処方箋”を配り始めました。

病んでなくても来たくなる、保健室史上最も癒し特化な回です。

「頭が痛い……テスト勉強のせいで完全に脳がオーバーヒート……」

こよりが保健室のドアを開けると、そこにいたのは――


「ようこそ。

 本日は、心の処方箋しょほうせんをお配りしております」


「詩音先輩、なにやってんのーー!?」


保健の先生の隣に立つ詩音先輩。

白衣姿で、処方箋ならぬ「詩方箋しほうせん」を手に持っていた。


「身体だけでなく、心にも“ちょっとした手当て”が必要ですから」


「いや、それを詩でやるの!?」


ベッドで寝ている生徒、ただぼーっとしに来た生徒、

みんな詩音先輩から一枚のカードを受け取っている。


こよりにも渡された、その“詩方箋”には、こう書かれていた。


「疲れたときは、立ち止まっていい。

花も風も、止まってる君をちゃんと見ている」


「え、なんか癒された……」


別の生徒が受け取ったカードには、


「泣きたいときは、泣いてください。

それは水やりと同じです。心に、やさしく」


そして、たまたま通りかかった体育会系男子には、


「今日も君の声が、空に響いてた。

それだけで、なんだか嬉しい」


「お、おれ!? 俺のこと書かれてる!? え、尊い……」


生徒たちはひとり、またひとりと詩方箋を手に取り、

笑顔で保健室を後にしていく。


保健の先生がぽつり。


「こんなに人が来たの、インフル流行ったとき以来だわ」


「風邪より詩のほうが伝染力あるってどういうこと……」


こよりは帰り際、ふと詩音先輩に尋ねた。


「詩音先輩、あなたは疲れたとき、どうしてるの?」


すると、彼女は窓の外を見ながら、やさしく微笑んだ。


「風の音に、耳を澄ませます。

 それだけで少し、“わたし”が戻ってきますから」


……それ、めちゃくちゃ詩人らしい回復法!!


こうして今日も、文学少女は誰かの心をそっと包みながら、

保健室に“優しい嵐”を巻き起こしていた。

今日の一句(保健ver):

「心にも 包帯よりも ことば貼る」


次回、詩音先輩――体育館で“走る詩”の授業を提案!?

走って転んでポエムが生まれる、謎のスポーツ文芸革命!

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