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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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31/50

第31話「詩音先輩、図書室で“言葉の迷宮”を開催する」

詩音先輩、今回は“図書室で謎解き”です。

本棚の迷宮にちりばめられた言葉のかけら――文学少女、じんわり侵略中。

昼休み。校内放送が静かに響く。


「図書室にて、“言葉の迷宮”を開催中。

本棚の中に、言葉が隠れています。

すべてを見つけた者には、“心のしおり”を贈呈します」


「また始まったーー!!!」

こよりの叫びが教室に響いた。


今回の舞台は図書室。

詩音先輩は、図書室中の本棚のあちこちに、短い詩の書かれたメモを隠したらしい。


「図書室の先生もよくOK出したね……」

「むしろ『図書離れを防ぐいい機会』って大喜びだったらしいよ……」


詩音先輩が撒いた“言葉のかけら”は、全部で七つ。


・文学棚の間に貼られた一枚目の詩


「物語は、君のとなりにも棲んでいる」


・辞書の中にそっと差し込まれていた二枚目


「意味は、ページの間で眠っている」


・児童書コーナーのくまのぬいぐるみに抱かれていた三枚目


「忘れられた本にも、まだ声はある」


・歴史書の棚の裏に隠された四枚目


「過去を知ることは、未来への地図を描くこと」


・閉架書庫の前に置かれた木箱の中の五枚目


「開かない扉こそ、言葉は叩く」


・本棚の上に吊るされた六枚目


「上を見よ。本の森は、空まで続く」


・最後の七枚目は――貸出カウンターの下に忍ばせてあった。


「そして君自身が、まだ読まれていない一冊だ」


「えっ、最後だけ名言感すごい……」


図書室に集まった生徒たちは、静かに、でもどこか楽しそうに“言葉探し”をしていた。


「……なんだろう。

 ただの紙切れなのに、見つけると嬉しくなるの、不思議だね」


こよりも思わず見とれてしまうほど、

図書室は、まるで“静かな冒険の森”になっていた。


そして、すべての詩を見つけたこよりのもとへ、詩音先輩が小さなしおりを差し出す。


それにはこう書かれていた。


「ページの隙間に、君のまなざしが灯りますように」


「……ねえ、これ、詩音先輩のやらかしの中で、

 一番やさしいやつじゃない……?」

今日の一句(図書室ver):

「しおりとは 本に挟むより 心挟む」


次回、詩音先輩――音楽室で“言葉と音の即興ライブ”を始める!?

言葉×旋律=想像を絶する詩音ライブの幕が上がる――!

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