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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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30/50

第30話「詩音先輩、美術部で“言葉の絵”を描き始める」

詩音先輩、美術部をもジャック!

“絵を描かずに絵を描く”という、逆転の発想でやらかしました。

放課後、美術室。


油絵の具のにおいと静かな音楽が流れる中、美術部員たちがキャンバスに向かっていた。

そこへ――


「こんにちは、詩の者です」


「いや、なにその自己紹介ーーーッ!!」


突如現れた詩音先輩、白いエプロンを身につけ、スケッチブック片手にど真ん中のイーゼルへ。


「今日は、“詩で絵を描く”という挑戦をしに来ました」


「え、筆は? 絵の具は? キャンバスは?」


「わたくしの筆は“言葉”、絵の具は“心”。

 キャンバスは――みんなの想像力です」


「抽象的すぎて何もわからんーー!!」


それでも、なぜか美術部の顧問・秋山先生は乗り気だった。


「いいじゃないか。芸術ってのは、境界を壊すところから始まるものだよ」


「え!? 校長に続いて美術の先生も詩音先輩派!?」


そして始まる“ライブ詩画”。

詩音先輩はスケッチブックに向かって、次々に言葉を綴る。


「青という色は、孤独じゃない。

実はそれ、誰かに会いたい気持ちの裏返し」


「赤は怒りじゃない。情熱。伝えきれなかった好きの残像」


「白は空白ではなく、“これから”で満ちている」


その言葉を聞きながら、美術部員たちは、それぞれのキャンバスに筆を走らせる。


色も形も違うのに、なぜかどの作品もどこか詩音先輩の詩を映しているようだった。


こよりたちも見学に来て、ぽつり。


「なんか……詩って、“描かれる”んだね……」


「ていうか、詩音先輩が来ると、部活動がだいたいアートになるのすごくない?」


ちなみに、詩音先輩本人の“完成作品”は――


画用紙に、こう一行だけ書かれていた。


「この白さに、あなたは何色を感じますか?」


「いや描いてないじゃん!!

 キャンバスにただの“問い”投げてるだけじゃん!!」


しかしそれすら、見た人をざわつかせ、考えさせる。

――それが、詩音流アート。

今日の一句(芸術ver):

「描かずとも 伝わる世界が ここにある」


次回、詩音先輩――図書室で“言葉の迷宮”を開催!?

図書室の棚を舞台に始まる、“言葉を辿る宝探し”!

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