第3話「図書室炎上。原因はたぶん詩」
またまた詩音先輩が燃やしちゃいました!
詩の熱さはすごいけど、図書室は火気厳禁ですよー!
今回も3人組が現場対応、よろしくお願いします!
昼下がりの図書室。静寂の中、微かな煙の匂いが漂い始めていた。
「くんくん……なんだか焦げた匂いがするよ?」
白鳥こよりは眉をひそめながら、本棚の間をそっと進んでいく。
「やっぱり…火事?」
佐倉まどかが急ぎ足で後を追う。
風見さつきは既に図書室の入口で立ち止まっていた。
「詩音先輩のことだから、また何かやらかしてるに違いない…」
三人は慎重に足を進めると、窓際の机の上で小さな火の気配を発見した。
そこには一枚の紙と、小さく燃えかけた詩集の一部が残っている。
「詩音先輩!? また紙を燃やしてるの!?」
まどかは慌てて火を消そうと手を伸ばした。
しかし、そこに詩音は悠然と現れ、片手に新しい詩集を持っていた。
「詩は炎のように燃え、そして新たな世界を照らすのだ」
詩音は満足げに微笑みながら言った。
「でも、図書室は火気厳禁だよ! 火を使うなんて危ない!」
さつきがたしなめる。
「これは炎の詩だよ。燃やすことで言葉の魂が解き放たれるんだ」
「だからって、燃やしていいわけじゃないよ!」
こよりが眉をしかめる。
「でも、君たちにはわからないだろうな。詩の熱さを」
「わかんないから困ってるんだよ!」
まどかが思わず叫んだ。
その時、司書の先生が急に現れて大声を上げた。
「みんな、落ち着いて! 火事にならなくてよかったわね!」
「詩音先輩、次からはもっと安全な方法でお願いしますね」
先生は優しく叱りながらも、詩音の情熱を否定しなかった。
その後、三人は詩音の“炎の詩”をもう少し安全に楽しむために、図書室の詩集の貸し出しを計画した。
「今度は燃やさない詩の楽しみ方を教えるよ!」
こよりがにっこり笑った。
今日の一句:
「燃え上がる 言葉の熱さ 紙の上」
火のないところに詩は舞わず?
次回もお楽しみに!