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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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28/50

第28話「詩音先輩、朝の校内放送を詩でジャックする」

朝の放送×詩=最初はカオス、だんだんクセになる。

詩音先輩、もはや生活インフラになりつつあります。

ある日の朝、校内放送のスピーカーから、いつものBGMが流れる――

……はずだった。


しかしその日、スピーカーから流れてきたのは、


「おはよう。今日も世界は、君の知らないページをめくる」


「……あれ? え、誰??」

「……え、これ、詩音先輩の声じゃない!?!?」


そう、放送室を“合法的”に借りて、詩音先輩が朝の詩朗読をしていたのだ。


「遅刻に追われる足音も、眠気に沈むまぶたも、

すべては今日という舞台の、第一幕――

さあ、ページを開け、君だけの物語を」


「……詩音先輩、校内放送で一人ポエム劇場やってるうぅ!!」


一方、放送室では――


「本日は特別に、“朝の一詩”をお届けしております」

と、まるでNHKのラジオ番組のようなテンションで、落ち着き払う詩音先輩。


隣にいた放送委員・井ノ原さんが震え声でつぶやいた。


「こ、これ……ほんとにアリなの……? いつから放送委員に詩人枠なんて……」


詩音先輩は答える。


「言葉とは、目覚ましよりも強いエネルギー。

 脳を揺らすには、詩が一番よ」


「揺れるのは脳というより精神なんだけど!!」


その日から、なぜか“朝の一詩”が数日続くことに。


生徒たちの反応はというと――


「今日の詩、意外とよかったな。朝のテンションに合ってるかも」

「聞き逃すとちょっと損した気分になるの、なんでだろう……」

「昨日の“君の靴紐は人生の伏線”ってやつ、地味に好きだったわ」


徐々に、校内で謎の中毒性を持ちはじめる“詩音放送”。


そして今日の詩は――


「傘を忘れても、言葉を持て。

雨は君を濡らしても、詩は心を守ってくれる」


「いや、傘は持てよ!!!」


とはいえ、誰もがちょっとだけ、朝の放送を楽しみにしはじめていた。


こよりは、教室でぽつりとつぶやく。


「……たぶん、詩音先輩って、

 “空気を乱して空気にする”天才なんだよね……」

今日の一句(放送ver):

「詩を聞き 始業チャイムに 哲学を」


次回、詩音先輩――保健室で“癒しの詩”セラピーを始める!?

病は気から、詩もまた気から――!?

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