第24話「詩音先輩、料理にポエムを添える」
料理×詩=!?
今回は家庭科でも安定のやらかしを披露した詩音先輩。
でも味はちゃんとおいしい、そこがまた面倒くさい!
「今日の家庭科は調理実習よー」
家庭科の佐久間先生がエプロン姿で登場する。
「やったー! 今日のメニューはオムライスだって!」
「チキンライスにケチャップって最強の組み合わせだよね!」
教室がほのぼのムードに包まれる中――
一人だけ、黒いエプロンに羽ペンを挿している生徒がいた。
もちろん、詩音先輩である。
「詩と卵、どちらが先に割れるか……ふふ、興味深い問いね」
「料理って、そんな哲学バトルだったっけ!?」
火を使いながら詩を詠み、フライパンを振りながら語り出す。
「焦げ目、それは努力の跡。
ひび割れた卵は、私の青春を映している……」
「いや普通に“火が強すぎただけ”だから!!」
そんな詩音先輩の作品――いや、料理が完成した。
《作品タイトル:『ひとさじの孤独に、ケチャップで君の名を』》
「名前じゃなくてポエムが書かれてる!?!?」
皿の上にはオムライス、だがケチャップでこう書かれていた。
「ぼくは、まだきみに伝えられないままでいる――」
「食べづらっっっ!!」
「食べるたびに感情を揺さぶられる!!」
そして隣では、真顔でスプーンを手に取る詩音先輩。
「いただきます――言葉にするには、惜しい別れね」
「食べるだけなのに別れの演出やめて!?」
だが、味は――意外にも、普通においしかった。
「……うん、これ、しっかり味ついてる」
「ポエム抜きなら合格点なのになぁ!!」
そんな彼女は、食後のデザートにこうつぶやいた。
「甘さ控えめのプリン、それは恋の予感」
「もう何にでも詩を載せる気だなこの人……!!」
今日の一句(料理ver):
「ごはんにも 詩をかければ 味変わる」
次回、詩音先輩――体育祭の応援団長に立候補!?
詩で応援されても走れるのか!?




