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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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23/50

第23話「詩音先輩、抽象画に魂を塗る」

今回は文学少女が美術室に侵攻!

言葉を失うような絵画と、タイトルで逆に言葉を増やしてくる新感覚アート爆誕です。

「今日は美術の授業で自由制作です」

美術教師・葉山先生の声に、教室がゆるくざわめいた。


「うわぁ〜、自由って逆に困るやつ……」

「私、またリンゴ描いちゃいそう……」


そんな中、ひとりだけ目を輝かせて立ち上がった少女がいた。


「来たわね……キャンバスという白詩はくし!!」

詩音先輩だった。


「え、美術得意なんですか……?」とこよりが訊くと、


「絵画とは、言葉を持たぬ詩――

 すなわち、沈黙が語る文学よ」


「もうその時点で意味がわからない!!」


詩音先輩は筆を持ち、すっと絵の具に浸す。


最初に塗られたのは――真っ黒な線。

そこに青、赤、金、銀……と、次々に謎の色がぶつかり合う。


「え、これ……戦争? 爆発? 夢の中……?」

「ていうか、タイトル何にするつもりなんだろ……?」


完成した詩音先輩の作品は、黒と赤がうねり、中央に金色の点が浮かぶ、

いかにも**“深読みしてほしそうな絵”**だった。


そして提出された作品タイトルは――


『混沌の内臓に宿る月』


「タイトルが不穏すぎる!!!!」

「内臓って何!? 月ってどこに!?!?」


葉山先生がしばらく沈黙したあと、静かに言った。


「……うん、これは……その、自由な発想だね……」


「先生、困ってる〜〜〜!!」


放課後、美術室の片隅で。

詩音先輩がぽつりとこよりたちに言う。


「言葉で描けない感情って、あるでしょ?

 それが、私の中で爆発して絵になったの」


「う、うん……なんか……うん……」


まどかがそっとつぶやいた。


「こうしてまた一つ……我が校の展示がカオスになるわけだね……」

今日の一句(美術ver):

「抽象画 意味はないけど 意味がある」


次回、詩音先輩――家庭科の授業で料理にポエムを添える!?

食べる前に詠む、それが詩音スタイル!

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