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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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22/50

第22話「詩音先輩、朝の放送をポエムに変える」

詩音先輩が放送室をジャック!

朝のテンションでは追いつけないポエムを、校内に炸裂させました。

にもかかわらず、なんか好評なのがまた厄介……。

「おはようございます、生徒のみなさん。今日も元気に――」


教室のスピーカーから聞こえてくる、いつもの朝の校内放送。


だがその日の放送は、いつもと何かが違っていた。


「……今日も一日、世界という舞台で君が主役となる日。

 風が運ぶのは、君の名の第一音。

 どうか、心に詩を。――夜凪詩音でした」


「えっ!?!? 詩音先輩!?!?!?」


放送室での声が、校内に響いていた。


「ちょっと待って!? なんで詩音先輩が放送委員やってんの!?!?」


「いや違う、放送室ジャックだこれ!!」


こよりたちが急いで放送室に向かうと、

中ではマイクに向かって堂々とポエムを朗読している詩音先輩がいた。


「朝のチャイム、それは運命の鐘。

 眠気という名の夢から、君を現へと導く合図……」


「ちがーう!! 起きろーって言うだけでいいのにぃ!!」


放送委員の本来の担当生徒は、机の下でそっと震えていた。


「わ、私、詩音先輩に“言葉で世界を浄化したい”って言われて……ついマイク渡しちゃって……」


「洗脳されてる!!」


しかし、意外なことに校内の反応は上々だった。


「今朝の放送、なんか落ち着いた」

「うん、朝から詩とか意外と悪くなかったよね」

「内容はよくわからなかったけど、語り口が心地いい」


「なんで評判いいの!?!?!?」


その日の昼、詩音先輩は得意げにこう語る。


「言葉には“目覚め”の力がある。

 朝の五分、それは一日のプロローグ……詩で始めるにふさわしい時間よ」


「もう完全に電波ジャックの哲学!!」


ちなみにその日の最後の放送では――


「今日も一日、お疲れさまでした。

 放課後とは、“今日の余白”――そこに、何を書くかはあなた次第」


「……なんか、ちょっと沁みるのやめて!?」

今日の一句(放送ver):

「朝ポエム 聞いた瞬間 目が覚めた」


次回、詩音先輩――美術の授業で“抽象画”を提出!?

絵画もまた、言葉と同じく混沌へと誘う!

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