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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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21/50

第21話「詩音先輩、進路調査票に詩を添える」

進路調査票、という現実の重さに、詩音先輩の文学が正面からぶつかる回です。

普通は悩む欄すら、彼女にかかればポエム欄に早変わり。

ある日、教室に配られた一枚の紙。

――進路調査票である。


「はぁ〜、もうそんな時期かぁ……」

こよりがため息まじりに鉛筆を走らせる。


「進学するか、就職するか、なんか選択って責任重いよねぇ」

まどかが現実逃避気味に言いながらちらっと隣を見る。


すると、詩音先輩の席では――


「将来の夢:詩で世界を再構築する」

「希望進路:文学惑星への片道切符」


「いやいやいやいやいやいや!!」


「せめて現実の大学とか書いてぇぇぇえ!!」


「進路とは、“進むみち”。誰がそれを現実に限ると決めた?」

「先生だよ!!」


先生がチェックのために回ってきたとき、

詩音先輩は自信満々にこう提出した。


《夜凪詩音 進路調査票》

将来の夢:

「詩を風に乗せて、宇宙の果てまで届ける者になりたい」


希望進路:

「感性学科・夢追い専攻(※本人の創作)」


自己PR欄:

「幼少より詩に目覚め、鉛筆と共に育ちました。

 “真っ白な履歴書、それはこれから書く詩の余白”」


「この人、履歴書すら詩にする気満々だよ!?」


だが、先生ももう何度目かの“詩音案件”とあって、

ため息をつきながらもこう言った。


「……まぁ、一応“進む意思”はあるとみなすわ」


「あるんですか!? これ、詩のほうが先を進んでません!?」


放課後。こよりたちが帰ろうとしたとき、

詩音先輩が校門の前で空を見上げながらぽつりとつぶやく。


「未来は白紙……だが、それは最も美しい詩の一行目」


「……なんか、うまいこと言われた気がする!!」

今日の一句(進路ver):

「夢を書く 用紙の端に 風が吹く」


次回、詩音先輩――放送委員会に乗っ取り参戦!?

朝の校内放送が、いきなり詩で始まったら……?

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