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第2話「黒板に刻まれし短歌と、消えたチョーク事件」

やあやあ、またまた詩音先輩がやらかしました!

今回は黒板の短歌とチョーク事件。詩音流の「詩の教育実験」とは?

3人組のツッコミは今日も冴えわたる!

県立さくら坂高校のある朝、教室の黒板に謎の短歌が現れた。


「春霞 君と歩けば 風が詩を 運びし声と 花びら舞う」


だが、その美しい詩とともに、チョークが一つも見当たらないという異変が起きていた。


「どういうこと!? チョークが全部消えてるんだけど!」

佐倉まどかは眉間に皺を寄せ、教室の机の下やロッカーの中まで探し回る。


「ま、また詩音先輩の仕業か…?」

風見さつきは半ばあきらめ顔で黒板を見上げる。


「詩音先輩は、どうしてこんなことを……」

白鳥こよりは小さくつぶやきながらも、心配そうに廊下を見つめていた。


その時、背後からのんびりとした声が響く。


「詩はただ書くのではない。書かせるものなのだよ」


振り向くと、夜凪詩音がどこからともなく現れ、得意げに笑っていた。


「詩音先輩! どうしてチョークを隠したんですか?」

まどかが詰め寄る。


「それはね、君たちにもっと美しい詩の世界を感じてほしいからさ。

チョークがなければ、言葉が浮かんでこそ、心で詩を書くことになる。これは一種の詩的教育実験なんだよ」


「教育実験…?」

さつきが呆れながらも、黒板の短歌を指差す。


「この詩も詩音先輩が書いたんですか?」


「うん、詠んでいる間に君たちの心にも届くように、心を込めて書いたんだ」


「でも、どうしてチョークは見つからないんだろう?」

こよりが黒板横の棚を見ていると、そこには大量のチョークの欠片が小さな箱に詰まっていた。


「……あれ、詩音先輩が砕いたの?」

まどかは驚きつつも納得の表情。


「そう、これはね、ただのチョークじゃなくて“粉々に砕いて新しい詩を作る魔法のチョーク”なんだよ!」


「魔法のチョーク……って、先輩それただの破壊だよ!」

さつきがつっこむ。


「まあまあ、詩は自由だよね!」

詩音は満足げににっこり笑った。


「…というわけで、今回の事件も無事解決、ですね!」

まどかが苦笑しながらまとめると、さつきとこよりも頷いた。


そして、黒板の短歌は今日もクラスメイトの心にふんわりと響いていった。

今日の一句:

「砕け散る チョークの欠片 詩となり」

破壊から生まれる詩の力……?

次回もまた、お楽しみに!

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