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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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17/50

第17話「詩音先輩、歌詞を担当してはいけない」

今回は「合唱祭」!

歌詞を詩音先輩に任せてはいけない――という定番のフラグが折れるどころか、

まさかの感動回に突入。誰も予想できませんでした。

学園の年中行事、合唱祭が近づいていた。


「で、クラスごとに自由曲を選んで、あとオリジナルの歌詞を書いてくるって」


「えっ、オリジナル……って、それ、絶対に詩音先輩がやる流れじゃん!?」


まどかの指摘に、さつきとこよりが顔を見合わせて頷く。


すでに予感していた。

あの人が黙っているわけがない――


「詩とは、声に出してこそ命を持つ……つまり、私は今こそ“詩の降臨”を行う時……!」


現れた夜凪詩音は、すでに原稿用紙12枚分の歌詞を完成させていた。


「なっがっ!!」


「合唱にしたら10分超えるってこれ!」


「でも聞いてみたら、妙にいい感じなんだよな……」

こよりが、数行を読み上げた。


《風が問いかける 私の影に

 昨日を返せと 夢をほどけと》


「えっ……普通に良くない?」

さつきが若干くやしそうにつぶやく。


しかし、その直後に続く一節が――


《忘れ物 たしかに机に置いたはず

 なのに君は なぜ持ってないの》


「……なんか、どっかで見たぞこの感じ」

「また“文具と感情”が結びついてる!?」


「詩音先輩の詩は、だいたい“授業中の出来事”が人生規模で描かれるんだよ……」


結局、クラス内で協議した結果――


詩音先輩の歌詞はイントロ部分にだけ採用されることに。


本番当日。


開演のピアノとともに、ステージに響いたのは、

クラス代表・男子が朗読する――詩音先輩の歌詞だった。


《ノートには 書ききれぬほどの朝がある

 ページをめくれば 季節がにじむ》


……会場、なぜか感動。


「な、泣いてる……!? 先生泣いてる!!」


「うちの合唱、文芸で感動させるって新しすぎない!?」


詩音先輩は、袖でそっと目をぬぐいながらつぶやいた。


「これが、“声にのせる文学”の力……」

今日の一詩(朗読風)

「消しゴムの 転がる先に 愛はある」

次回、詩音先輩、図書委員会で暴走!?

静かな図書室に、またも嵐が吹く!

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