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文学少女、またなんかやらかしてる  作者: たむ


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16/50

第16話「詩音先輩、短歌に溺れる」

今回のテーマは「短歌」!

詩音先輩が短歌という“重厚な5段構え”に挑戦した結果、またも文学が暴走。

提出課題でここまで厚みを持たせる人、なかなかいません。

「はい、注目~! 今回の国語の課題は、短歌を一首詠んで提出でーす!」


担任の先生の明るい声に、教室が微妙にざわついた。

なぜなら生徒たちは知っている――夜凪詩音がいることを。


「これ……詩音先輩に出させていいの?」

まどかが小声で言う。


「いや、出さないと余計に暴走する気がする」

さつきが冷静に返す。


「むしろ、普通の短歌に落ち着いてくれたらいいな~」

こよりは希望的観測を口にしたが――その希望は秒で砕かれた。


次の日。教卓に出された詩音の短歌に、先生が目を丸くして言った。


「……え、なんかこれ……序文ついてるんだけど」


【提出短歌】

『我、短歌道を歩むにあたり』

―序文より抜粋―

五・七・五・七・七……それは詩の五重奏。

想いは五段に折られてもなお、伝えきれぬほど膨らみ、

私はこの狭間に宇宙そらを見る。


短歌:

《昼下がり 開かぬロッカー その理由わけ

 知らぬままにも 時は進みぬ》


「なんか……シリアス……」

まどかが言う。


「『その理由を知らぬままにも』って、深刻すぎない!? 開かないだけだよね!?」

こよりが動揺している。


「詩音先輩、ロッカー開かないだけで時間の流れを実感してる……」

さつきが頭を抱えた。


そして、その後も詩音先輩は自主的に短歌シリーズを投稿し続けた。


《テスト前 鉛筆削れず 絶望し

 心に灯る 謎の闘志よ》


《冬の朝 ストーブの前に 集まれば

 友情よりも 熱がまぶしい》


「なんか共感できるけど! でもなんか重い!!」


「やっぱり詩音先輩が短歌やると、全部ドラマになるなぁ……」


その後、先生は詩音の短歌だけをまとめた**『短歌・夜凪詩音抄』**を作成、

学級文集とは別冊で配布されるという異例の展開に。


ちなみに、詩音は大喜びしていた。

今日の一句(いや五句?)

「短歌とは 五段階で 心燃え」

次回、詩音先輩がついに――合唱祭に文学で殴りこむ!?

音楽と詩が交差するとき、またもカオスの予感!

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