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第14話「詩音先輩、俳句を投げる」

今回は「俳句」がテーマ。

ポエムと並んで詩音先輩が愛してやまない世界ですが、なぜかまた方向性がおかしなことに。

まさかの竹筒射出スタイル、風流ってなんだっけ。

放課後。校庭の隅で、まどか、さつき、こよりの3人は、謎の“紙吹雪”を発見していた。


「……なにこれ? 紙切れがいっぱい散らばってる」

まどかがしゃがみ込んで拾い上げる。


「ん? なんか書いてあるよ?

《消しゴムが 机から舞い 恋に落つ》……?」

さつきが読み上げる。


「恋に落ちたの!? 消しゴムが!?」

こよりがぴょんと跳ねた。


「……まさかまたアレじゃ」

3人が顔を見合わせた次の瞬間。


「……またひとつ、言葉が風に舞った」


現れたのは、当然のように夜凪詩音。


制服の袖を風になびかせ、手にしていたのは――

小さな竹筒。


「それ、なに?」

まどかがイヤな予感を抱えながら聞いた。


「これは“俳句射出筒”――我が即興の句を、風に託して飛ばす装置だ」


「装置って言っちゃったよ!?」

「それ、手動で投げてるだけでは!?」

さつきとこよりのダブル突っ込みが冴える。


「この数日、校内各地に投句していたが、回収率が悪い。なぜだ……」

詩音は深く悩んでいる様子だ。


「そりゃあ誰も拾わないからでしょ! 捨てられてると思ってるって!」

まどかの冷静なツッコミ。


「私は、“誰かが偶然読んで感動してしまう偶発文学”を追求していたのだ」


「偶発文学て!!」

「通りすがりに読んで感動とか、なかなかハードル高いよ詩音先輩!」


詩音は深くうなずいた。


「……ならば、直接渡す方式に変えよう」


そう言って、竹筒から1枚取り出し、スッとこよりの手に渡す。


《放課後の 夕陽まぶしく 君きらめ》


こより:「えっ!? な、なんか照れる!」


まどか:「間違った方向で乙女心刺激しないで!!」


さつき:「あとこれ、間違ってもラブレターではないからね!? 俳句だからね!?」


それでも、こよりはやたら嬉しそうに俳句を財布にしまった。


こうして詩音先輩は、新たな手法――

**“俳句、直接手渡し戦法”**に移行することとなったのであった。


(校内、ちょっとだけ混乱)

今日の一句:

「五七五 射出されたら 逃げ切れぬ」

次回、詩音先輩がまた新しい詩形に目覚める予感……。

お楽しみに!

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