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1.ネクロマンサー・フェリシア

 自分の魔法適性が闇属性だと知った時、私は天が崩れ落ちるかと思った。というのは、50年前に暴虐の限りを尽くした魔王が、まさに闇属性だったからだ。


 だから、神々は属性に特別な偏見を持たないにもかかわらず、闇属性を持つ者は差別される。闇属性以外の二重属性を持つ者も、学校では別の道を歩む。たとえもう一つの属性が最適ではないとしても、その学習は非常に辛く、それでも「次の魔王になるかもしれない」というレッテルを背負うよりはましなのだ。


 検査は学校の講堂で、一年生全員が見守る中で行われた。私が純粋な闇属性だと発表された時、私は全ての生徒に見下されていると感じた。まるで裸で晒されているかのように。


 この状況は、たとえ私が転生者だったとしても、対処できなかっただろう。だってその時、私はまだ12歳だったのだ。前の24年の生涯を合わせても、たったの36年だ。社会経験の少ない36歳の気弱な美少女が、そのような状況に対処できるわけがない。


 前世はごく普通の女性だったし、今世は伯爵家で育ち、温室の中で守られてきた。だから、私を責めるのは酷だ。


 異世界を侮るなかれ。そこは別の世界であり、全く異なる文化と発展を遂げている。私は現代世界の知識を使って、自家の領地の発展に役立てようと試みたが、全く役に立たなかった。


 その理由は、第一に現代世界の知識の分野の隔たりが大きすぎることだ。私たちは実際には、ある知識の全貌を理解していない。例えば、有名な豆類の栽培による地力回復法も、全ての土地に適用できるわけではない。粘土質の土地では全く効果がない。私たちはそれを知らない。現代人は自ら耕作しないからだ。


 もう一つの理由は、この世界には魔法が存在するということだ。では、なぜ魔法を使って地力回復する方法を開発しないのか?現代世界で農業を飛躍的に増産させ、70億の人口を養えるようになったのは、化学肥料であって、輪作ではないのだ。


 輪作は確かに食糧生産量を増やし、より多くの人々を養うことができるが、ほんの少し増えるだけだ。その増加人口は、世界を決定的に変えるほどではない。


 信じられないなら中国を見てみればいい。古代中国は別の道を歩み、大量の堆肥を使って増産を試みたが、食糧の増加は人口増加に遠く及ばず、王朝末期の混乱によって人口を大幅に減らす必要があった。皆さんもよくご存知の三国志のように、黄巾の乱以前の最後の国勢調査と、晋の建国後の最初の国勢調査を比較すると、人口が80%以上も減少していることが分かる。


 話が逸れた。本題に戻ろう。この世界には魔法があり、普及教育もある。中世的な貴族社会ではあるが、貴族には軍権がなく、平民との身分差もそれほど大きくない。


 本当の中世との違いといえば、王権が強く、貴族の権威が低いことだ。領地は存在するものの、軍権は低く、領地独自の法令もない。この世界の貴族には立法権がないからだ。それが自分の領地であっても同じだ。


 全員、男女を問わず、6歳から6年間の基礎教育を受け、12歳で卒業後、魔法学院の初等部で3年間学ぶ。この9年間の教育は無料だ。


 魔法学院初等部に入学した初日には、魔力鑑定を受け、魔法属性を調べられる。


 私が闇属性だと知った時、それは私にとって世界の終わりだった。しかし、私の家は伯爵家なので、お金は問題なく、魔法学院に進学しない理由もない。


 結果、悲しんだり怖がったりする暇もなく、学校に通い続けた。魔法の科目は前世には存在しなかったものなので、他の生徒と同様に、全く有利な立場ではなかった。


 結果、3年間、先生を含む全ての人から差別され、嫌われ続けた後、ようやく自分の評判を取り戻す方法を見つけた。それがネクロマンシーだった。



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