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異世界幸せ生活  作者: osagi
第四
23/41

<成長三人娘>

 「ほら、耳を立てると私お父さんよりも大きいよ」


 ようやく気付いたのかと思ったが、俺はサクラが楽しそうに俺と背比べをしているのを微笑ましく見る。背比べをするのに耳を立てた身長まで含めるのはいささか卑怯な気もするがサクラが楽しそうならそれでいいだろう。


 「ふふん。この調子だとユキノもシノブもお父さんよりも大きくなっちゃうかもね」

 「そうかな?」


 子供の成長というものは早い。サクラの方はすっかり大人という感じだ。


 「お姉ちゃん早く!」


 ユキノに呼ばれたサクラはすぐにユキノとシノブの下へと向かう。いま二人の教育はサクラが担当しているのだ。サクラの体力は二人に付きっきりで教え込んでも有り余るほどあり、ユキノとシノブが体力の限界を迎えてからマリアとサクラは狩りへと向かうのである。


 そしてマリアは朝からルーナの様子を見ていた。ルーナもすでにだいぶ年を取っているのだ。さすがに前の様に颯爽とした動きを見せることが難しくなり今ではユキノとシノブの遊びに緩く付き合っている程度である。


 昔はサクラが狩猟の練習としてルーナを相手にしていたが今はそれも難しいだろう。サクラがルーナをキャフンと言わせた結果サクラがルーナを乗りこなすようになったが今はサクラもルーナには抱きつくだけである。


 そして俺の方は今のうちにやれることはやっておこう。疲労回復のジュースづくりに夕食の下ごしらえ、洗濯に掃除とさながら主夫である。そしてしばらくすると・・・。


 「ただいまお父さん」

 「二人は?いつも通りか?」


 ふと外に目をやると窓の外には足腰が立たなくなったユキノとシノブが地面に転がっている。


 「あれだけであんな風になっちゃうなんて二人ともまだまだだね」

 「許してやれよ、まだ小さいんだから」

 「少なくともお母さんよりも大きくなるのであればお母さんに勝てるぐらいには強くなってもらわなきゃ」


 実は今のサクラはマリアにも勝つことができる技量を身につけている。それはつい最近のことでマリアに一撃を食らわせるほどの技を見せたのだ。だが、マリアに同じ手は通用しないことから毎回勝てるとは限らないのがマリアとサクラの対人戦の特訓である。


 「そうか。果たして二人がマリアに勝てる日は来るのか、といったところだな」

 「体が大きい方が有利だし筋肉量も多くなるんだから、私ぐらいになった時は勝てるようにならないとね」


 それにしても今ではサクラがマリアのようにユキノとシノブの面倒を見ているが、体も大きくなったものだがそう考えると何か別の面でも大きく育ったように感じるものだ


 「ん?なに、お父さん?」

 「いや、なんでもない」


 どんどん大きくなる娘たち。生まれた時、初めて立った時、弓や剣を一人でも扱えるようになった時、見るたびに可愛い盛りだと思ってきたものだが、結局いつまでも可愛い盛りである。


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