<今後>
じゃれ合うサクラとルーナだが展開はサクラの一方的な状況だ。サクラはルーナが飛び掛かってくると飛び上がって避けるとルーナの背中に馬乗りになるように着地し、ルーナが突進してくると顎の下に滑り込んでルーナの首を挟むように足で挟み込む。この様子だとルーナ相手ならサクラはマリア以上にルーナのことを手懐けられるだろう。
「あなた、そろそろサクラの相手をしてあげたら」
「相手になるかな」
「サクラを押し倒せばあなたの勝ち。お互い掴み最初からあった状態、サクラはあなたに手を出さずただ耐えるだけで、体の大きいあなたがサクラを押し潰すように戦えば十分相手になると思うわ」
「なるほど、サクラはずっと守りに入るだけか。今のサクラとルーナのじゃれ合いが終わったら始めるか」
マリアのアドバイスに応えられるかわからないがやれるだけやってみよう。マリアが子育てに手を取られているのであれば俺がやるしかない。だが、それにしてもマリアに抱かれているユキノとシノブは・・・。
「二人ともよく眠ってるな」
「そう?朝のあなたほどではないわよ」
「そうかなぁ」
「冗談よ。お腹いっぱい飲んだばかりだからあなたよりもよく眠ってるわ」
俺がよく寝ているのは変わっていないらしい。そして俺は二人の寝顔に見送られてルーナとのじゃれ合いが終わったサクラのもとに向かっていった。
・・・・・
「ユキノやシノブもサクラみたいに旅に出るのかな」
三人娘が寝室に行き夜の二人だけの時間、俺はマリアにそんなことを聞いてみた。果たしてユキノとシノブの今後は一体どうなるのだろう。サクラと同じように旅に出るか、それともマリアのように狩人となるのか、それともまた別の道を行くのか、マリアはどう育てるつもりなのか聞いてみたくなったのだ。
「どうかしらね。でもこの子たちがここに残ったら、私とこの子たちとこの子たちの子供たちであなたが酒池肉林を楽しむなんていうのもいいんじゃないかしら」
「ブフッ!」
マリアの言葉に俺は噴き出す。
「そもそも俺は酒を飲まないだろう」
「あら、肉林の方は気に入ったの?何なら私がもっと子供を産んでも肉林を増やしてもいいのよ」
全く何を言ってるんだが。
「もう、そんなに顔赤くしちゃって」
赤くする原因を作ったのは誰なんだか。
本当にマリアには敵わないものである。
だが、やられる相手がマリアであればそんなに気分が悪いものでもない。夫婦としてお互いに知り尽くした仲、今更恥ずかしがるようなこともないのだから。