表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界幸せ生活  作者: osagi
第二
11/41

<親子三人>

 目が覚めると右にはマリアが、左にはサクラが、そして俺の腹の上にはサクラの足が乗っかっていた。


 何度か見た天井や壁、どうやらここはタマルがいる治癒魔法師の館に併設している病棟のようだ。どうやら丸々眠っていたのか窓の外では朝日が空を染めていて町も少しずつ騒がしくなってきている。


 そんな時、俺は少しだけ開く部屋のドアからこちらを覗き込む視線に気が付いた。大して距離があるわけでもないのに額に手を当てて覗き込む猫耳はタマルである。


 そして俺が目を覚ましたのに気が付いたのか、勝ち誇った顔をして手を波打つようにウネウネと動かしているのは「すべてはにゃあの腕のおかげにゃ」とでも言っているのだろう。


 その後、俺としてはせっかく眠っている二人起こしたくはなかったので、あのドア前にいるタマルは夢だということにして再び眠ることにした。



・・・・・



 パタン


 ドアの閉じる音で俺は再び目を覚ました。横を見ればドアの方を見るマリアがいて、俺が目を覚ましたのに気が付くとベッドの端に腰を下ろす。


 「おはよう、あなた」

 「ああ、おはよう」

 「サクラはたった今帰っちゃたわ」


 あのドアの閉まる音はサクラが出ていった音だったようだ。だが、そんなことはどうでもいい。こうして再びマリアと出会えたのであればやることは一つだ。俺はマリアを抱き寄せキスをしてマリアもそれに応える。


 「サクラは大丈夫だったか?」

 「全然大丈夫よ」


 俺はさらにマリアを強く抱きしめるが、マリアは小さな声でこうつぶやいた。


 「そろそろあの子も来ると思うから」


 そしてマリアの言葉を合図にしたかのように外からサクラの声がした。


 「とうっ!」


 窓枠に触れもせずに地上から二階の窓をくぐり抜けたサクラは体操選手のような着地を決める。窓の外から俺の声を聞いたサクラが文字通り飛び込んできたのだ。


 「おはようお父さん!」


 異色種は目立つ上、場合によっては戦いを挑まれることがる。そんな事情からフードの付きの毛皮を来ているサクラであるが、一気にそれを脱ぎ払うと俺のもとに飛び込んできた。そして俺たち三人は親子三人で抱き合った。この二人のためならいくらでも無茶をする甲斐があるというものだ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ