表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚に便乗して復讐  作者: ネリムZ
7/12

再確認

 翌日訓練所にて


「それでは今から勇者様方に魔力を扱いやすくなる腕輪を渡す。左か右どちらでも構わない好きな方に付けてくれ!」


 ・奴隷の腕輪を渡された


 まじなようだ。


「だ、団長さん」

「む?なんだ?」


 凄い嫌そうな顔をされたが別に何時もの事なので無視する。


「お、僕には適正魔力がございません。魔力を扱いやすくする必要はありませんのでこの腕輪をする必要がありません。なので、はめなくてもよろしいですか?」

「ちょっと待て」


 団長は訓練所を見に来ている国王の元に向かって行く。

 大丈夫なのか聞きに行こうとしているのだろう。

 それに、国王の元には2人の娘と思われる女性がいる。

 1人は第1王女なのだろうが、もう1人は誰だ?

 もしかして第3王女?だとしたら第3王女は勇者の子を孕むとゆう役目は無いのか?

 それとも第2王女が嫌いだからと言う理由で第1王女が第2王女だけを使っているのか?

 まあ、どちらでも良いか。


「今の内に少しは見るか」


 顔と顔を合わせる必要は無い。一方的で良いのだ。

 まずは見ても精神的に問題ない奴を一方的に見ていく。

 ちなみにうちのクラスの級長は猫魔だ。

 猫魔の地形操作は強いが、触れさせなければ良いとゆう決定的な弱点が存在する。


「国王陛下の許可が降りた。お主は腕輪をしなくても良いとなった」


 ・団長は『お前は雑魚なので問題にならないと判断された』と遠回しに言われた


 ログさん、そんな事は分かってるんで言わないでくれよ。


 その後、昨日と同じように個人訓練してくれる騎士が付く。


「はぁ〜もはや専属だな。よし、今日は槍を使って貰う」

「はい」


 やっと素振りから解放?されるようだ。

 まさか槍でひたすら突きの練習をしろとか言われないだろう。


「槍は射程が長い分相手に取られ易い。突きが躱されたらすぐに引っ込める意識をしろ!」

「はい」


 突きをしたり槍を動かしたり、美咲さんの手加減した剣を受け止めたりと感覚を確かめていく。


「よし、次はナックルでやってみろ!」

「武術の心得が無いので意味が無いのでは?」

「ふむ、確かにそうだな!よし、ならアックスにする」


 デカい斧を運んできた。片手で。


「持ってみろ」

「は⋯⋯い⋯⋯」


 持てなかった。

 正確には渡された瞬間に重さによって落ち、斧を持ち上げる事が出来なかった。


「重量級の武器はダメだな。次は短剣にしてみるか」

「た、短剣?」


 くっそ、なんで誘拐から無意味な戦いに巻き込まれそんなリーチの短い危険極まりない武器を扱わないといけないんだ。


 今度は的となるカカシが用意されて、そこに適当に動きながら斬ったり刺したりしろとのこと。

 とりあえずやってみる。

 カカシは人の体のようになっているので脇、首、手首の順番に斬っていく。

 勿論、削る程度で切り裂く事は不可能である。


「短剣が1番しっくり来るな」

「⋯⋯」

「よし、短剣をメインにしよう」

「まじかよ」

『おおおおお!』

「なんだ?」


 急に歓声が上がった事に訝しげな顔をした美咲が声の方に向くと、小さめの弱い台風がカカシを飛ばしていた。


「おい!あれは誰がやった!」

「はっ!勇者様の遥斗様でございます」


 近くに居た兵士にタメ口で聞いた事から美咲さんはそこそこの立場の人間なのかも知れない。


「なるほど、なら納得だ」

「あれは、どんな魔法なんですか?」

「あれは風属性中級魔法の一つ、台風ストームだ」

「ストーム、そのままやん。中級魔法は凄いんですか?」

「ああ、普通の魔法使いでかなりの才能があるものでも2年は掛かると言われている域だ」


 魔法使いの定義を求む。


「魔法に関する書物もある筈だ。明日は訓練は休みとなっていて自由な行動が認められている。だから行くといい。道は自分のメイドにも聞いておけ」

「はい」


 丸投げするのね。


『こっちもすげええ』


 今度はさっきのストームの炎版と言った物が現れた。

 カカシを灰に変えていく。

 あれは陽真の火炎のスキルを使っているから納得だ。

 成長速度の速い遥斗、火属性なら強い陽真、こいつらだけ召喚されても生きていけたんじゃね?


 ズドオオン


 雷の音かも分からないが、そんな音が聞こえた。

 カカシが真っ二つになり、切断部分は焼けている。


 あれは春樹、雷撃の力だろう。

 そして、デブメガネの春樹の魔法を賞賛する者は皆、男だ。

 笑える。


 もしも春樹がハーレム作って沢山の女を侍らしていたら⋯⋯いや、想像も出来んな。


「ふむ、やはり今期の勇者様方は強いな」


 美咲さんも満足そうです。⋯⋯勇者が強いなら魔王も強い。

 魔王が強くなっていくから勇者が強くなるなら、今回は勇者の方が先に召喚されているようなので、比例して魔王が強くなると言えるだろう。


「よし、お主も負けていられんな!」


 そうだな!そうだよな!


 ⋯⋯あいつらと比べて弱いのは良い。しかし、圧倒的な差があると復讐がしにくい。

 最悪反撃で俺が死ぬかも知れない。

 俺は復讐であいつらを殺すかも知れない。殺す奴は殺される覚悟があると言う。

 死ぬ覚悟はあるが、あいつらに殺される覚悟は無い。

 ここは異世界、何があるか分からない。

 毒殺、暗殺、裏切り、死の覚悟はある!

 だが、俺は復讐して帰る!胡桃の元に!

 その為には最低限の力が必要だ。


「奴隷⋯⋯か」


 宝石みたいな物が付いている腕輪をみんな嵌めている。

 俺は嵌めていない。あいつらはこの国に反抗する意思が弱くなる。

 それは、どうでも良い。

 今信用出来るのはログのお陰でスイカさんのみ。

 スイカさんは嫌な顔をするだろうが、裏切らない協力的な人物は必要だ。

 俺一人ではあいつらに復讐が出来ない。

 絶対命令が可能な奴隷なら!


「いかんいかん」

「ないがいかんのだ?」


 いちいち反応すんなし!俺が悪いかもしれんが。


 奴隷を使って復讐?そんなのは人を道具として扱うと道理だ。

 そんなのは外道だ。

 あいつらを外道と思っている俺があいつらと同じ立場になる?そんなのは死んでもゴメンだ!

 奴隷は自由にする対象と考えた方が外道に落ちないで良さそうだな。

 あいつらに復讐出来るならゴミでもカスでも外道にでもなるつもりだが、それで関係ない人達の命を使うのは間違っている。


「何を悩んでいる?さっさと訓練を再開する。模擬戦あるのみ!さあ、掛かって来い!」

「やるだけやってみるか」


 最初の復讐対象は猫魔だ!

 その為にも最低限の力と知識が必要。今日はその再確認と最低限の力を付ける前座だ!


今作品をお読み頂き感謝致します。

「次回が気になる!」「また読みたい!」と思って頂けましたら幸いです。


強い励みになりますので是非良ければ『評価・ブックマーク』をよろしくお願いします。


感想もお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ