第2王女
何とか訓練と呼ばれる素振りを終える事が出来た。
今度はメイドの案内無く部屋に戻って夕飯を食べるらしい。
「おい待てカス」
「⋯⋯ッ!」
その独特な声音で振り向かなくても誰か分かる。分かるが、振り向かなかったらどうなるか俺は身を持って知っている。
「な、なに?」
「あぁ?まずは膝を付いて下から目線が基本だろ?」
「⋯⋯はい」
くっそくっそ、さっきから1人しか話していないが何時もの3人だった。
3人のリーダー遥斗
遥斗の相棒的存在、陽真
そして、最後はオタクデブメガネでこの2人の磯吟着の春樹
俺に取っての認識だが、学校で有名になるほどにこの3人は仲が良い。
さっきから話して来たのはデブメガネだ。
「⋯⋯ッ」
3人の顔を見た。それだけでも怒りが止まらない。
「ん?もしかして、昔の事を思い出してるの?あれは同意の上だったろ?」
「そんな⋯⋯わ、フグッ」
「誰が喋って良いと言った?」
・遥斗、陽真、春樹に絡まれた
・遥斗(-100万)に蹴られた
「ゲホゲホ」
なんだよこれ?何時もよりも痛てぇ。
「お?すまんすまん力加減をしていなかったは」
「遥斗、流石に笑えるって!ちゃんとゴミには手加減と言う優しさぐらいは上げないと」
「そうですよ遥斗君」
「すまんすまん」
俺には謝る事をしないで3人は話を始める。
力加減?どうゆう事だ?
「ああ、そうだカス、今呼び止めた意味は無いからもう行っていいぞ」
「⋯⋯はい」
・3人に背中を向けた
・陽真(-100万)が詠唱を始めた
「え」
ログを見ながら帰ろうと、部屋に戻ろうとしたらこんなログが出て来る。
なぜ、詠唱を開始する?⋯⋯答えは決まってる。
「─────ファイヤショット」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
痛い痛い熱い熱い背中が、焼ける。
痛い、熱い、俺は地面を転がりながら背中の火を消す為に転がる。
・消化した
「ハァハァ」
「ぷッ」
「「あははははははははははははは」」
「面白い転がり方だな。んじゃ、俺たちも行くか?おっと、邪魔」
遥斗は鼻で笑うのを堪えるような笑い方をして、陽真、春樹は高笑い。
行くは、と言って俺を軽々蹴り上げて全身する3人。
俺は落下する。
ゴギッ
「がばぁあ」
吐血。俺は意識を失った。
◆
俺は目を開けて光が見える事を喜んだ。
まだ、生きている。
それにここは医務室に似ている。つまり、戻れ⋯⋯
「やっと目覚めましたか勇者様!」
「まじかよ」
「フェ!」
「貴方は?」
「私は応急治癒部隊の下っ端の治癒士です!」
胸を叩きながら『どうだ!』と自慢する様な態度で話してくれる。
下っ端でも凄い立場なのだろうか?
「背中が痛くない」
「まあ、回復魔法を掛けましたから、にしても気を付けてくださいね。人が魔法練習している所に移動は危険ですよ。今日は身を持って体験しましたね?今後、お気を付けよ」
「はぁ?回復魔法ってなんですか?それに、魔法練習している所に移動した?なんですかそれ?」
「質問が多い!回復魔法って言うのはですね。使える人が少ない希少属性です。魔法は体内に存在する魔力を詠唱して具現化した物を指します。魔法練習の所に移動した、と上の物から聞きました」
「⋯⋯ッ!そうか、回復ありがとうございました。では、また」
「はい!気をつけてくださいね」
「気を付けても無駄だと思いますけどね」
「はい?」
「いえ、何も」
俺は何時ものメイドに案内され、無いようだ。
「ワタクシがお部屋に案内させて頂きます。ワタクシは遥斗様の側仕えのメイド名はライカと申します」
・第2王女スイカは偽名、ライカを名乗った
ログ先生!一生付いて行きます!
まじでログってなんだよ。分かる事が増えると分からない事がさらに増えるんだけど。
まあ、圧倒的に俺に好都合なのでどうでも良いが。
「どうして遥斗⋯⋯さんのメイドが?」
「今、翔大様のメイドが休憩に、他の勇者様はお風呂に入られています。翔大様は夕食を食べて頂き、その後他の勇者様方とは別時間ですがお風呂に入って貰います。着替えはこちらから用意された物を着てください。お風呂までの案内等は翔大様のメイドがすると思います」
「はい」
そう言って案内される。
ちなみにスイカさん?様?は金髪の子でした。
さて、部屋に案内さらながらも俺は疑問と見付けた物を生理する。
まず、スイカさんに好感度の(-○○)が無かった。
これは0と思って良いだろうか?
あとは、好感度は単体の名前じゃないと分からないって事。
『遥斗、陽真、春樹』の時は好感度が無かったが、『遥斗(-100万)に蹴られた』『陽真(-100万)が詠唱を始めた』からそう判断する。
あとは、名前(偽名でも可)を聞けばその者のフルネームでは無いが名前が分かる。
偽名なら本名も分かる神的な性能。
結局、この国が何なのか、あの団長の騎士団はなんなのかは分からない。
陽真は魔法が使え、魔法は体内の魔力を詠唱で具現化するのは分かった。
それと、召喚された者、この世界の人達、あるいはどちらとも、体が強化されているのが分かった。
身体能力が上がっているから『手加減』が出来なかった、それと俺が完全な火を耐える事が出来た。
それも魔力が関係あるのだろうか?
「着きました」
「ありがとうございました。スイカさん」
「⋯⋯ッ!」
俺は飯を食べながらあいつらのスキルを見ようかなと決めた。
腕が動かないんだが。
「どうかしましたか?」
「ど、どうして⋯⋯わ、⋯⋯私の名前を?」
「ん?ライカさん?」
どゆこと?
少し、思い出してみる。
「あ」
考え事、とゆうかログを見ながら色々と考えていたらスイカと呼称していた事に気が付いた。
「え、いや、あはは」
「ちょっと」
部屋に一緒に入る事になった。⋯⋯あいつらのスキルを纏めれるのはもう少し先になりそうだな。
「貴方、どうして私の本当の名を知っている?」
「たまたまですはい」
「うんな訳あるか!話さないなら、貴方を事故死で⋯⋯」
「怖い怖い。安心しろ、⋯⋯何を安心すれば良い?俺は誰にも言わない?その言葉を信用しろと?無理無理」
「1人で先の展開を呟くな!私の事をどこまで知っている!」
「第2王女まで、です」
俺はログをみる。
・スイカ(不安定)は同様している
ふむ、本心から同様しているようだな。
「なぁ、聞いて良いか?」
まあ、『断る!』が普通の反応だけどね。
「良いが」
「良いんですね。ありがとうございます。その〜貴方の事をスイカさん?スイカ様?どっち呼びが正しいですか?」
「今は訳会ってメイドだからさん付けも要らんが」
・スイカは冷静差を少し取り戻した