目標
ベットに座りながら食事を食べる。
まずは一通りの内容が分かるように本を配られた。
それだけではなく、自分の能力の内容が分かる『まどうぐ』なる物も配れた。
食事は部屋で取れるようだ。
召喚された人にはそれぞれに男子にはメイド、女子には執事が世話をする。
「読めん」
文字が読めないので一通りの内容すらわからん。
メイドが読んでくれるモノだと勝手に解釈していたのに、食事の片付けをしに出ていってから1度も来ない。
呼ぶ方法も分からない。
「なんで喋る言葉は分かるのに文字は読めないんだよ」
なのに身分証の文字は日本語できちんと読める。
意味不明で思考停止しそうに成るのを収めて能力の内容が分かる『まどうぐ』に身分証を当てると、『まどうぐ』が光って文字が浮かぶ。
この文字は日本語だ。『まどうぐ』の見た目は『ますいしょう』と同じだった。
・ログ
・他者には見えない文字が見える。自分が体験した事を自動記録する。細さは設定可能。
「ログ」
案外ざっくりした内容だがその様な物だと思ったのでログを取り出す。
・ログを得た
・部屋を得た
・毒なし食事を取った
・メイド(-5)に「本読んで」を断られた
・『確認の魔水晶』でログの内容を見た
ん〜かなりざっくりで良いと思ったら本当にざっくりだな。
それに『魔水晶』って読むのね。
それに(-5)ってなんだよ。
・ログの内容が分からず苛立つ
言わんで良い!
とりあえず細かくやってみよう。
「このログで相手の能力が見れたらな」
女
・担任.前葉が【召喚使役】獲得
・水美が【龍具現】獲得
・猫魔が【地形操作】獲得
・麻衣子が【無限魔力】獲得
・蜜柑が【暴食】獲得
・愛子が【指揮念話】獲得
・蘭華が【成長促進】獲得
・香澄が【闇】獲得
・香織が【香料生産】獲得
・奏多が【万能回復】獲得
・真緒が【魔力回廊】獲得
男
・遥斗が【傲慢】獲得
・陽真が【火炎】獲得
・春樹が【雷撃】獲得
・球磨が【使役】獲得
・妃羅が【風操作】獲得
・牡蠣が【精霊魔法】獲得
・慶太が【万能糸操作】獲得
・泰雅が【万能鍛冶】獲得
・隆盛が【龍召喚使役】獲得
・恵都が【怠惰】獲得
(-5)がなかった。
後、きちんと名前が分かるな。
精霊魔法と魔法って違うの?召喚とは?さらに大罪系があるのはなぜ?龍具現化ってなに?
「分からない事が増えた」
さらにひたすらスキル?の内容ポイ物をひたすら連打するが、拡大と縮小しか出来なかった。
他の事は何が見えるかやってみる。
・クラスメイトと離れた部屋になった
・王族含め色々な人に失望された
・廊下を歩いた
・部屋の前を歩いた
・部屋の前を歩いた
・部屋の前を⋯⋯
あとはこれがズラリと並んでいた。
まあ、部屋の前を歩いたのは分かった。
それから数時間
分かった事をログとしてメモでまとめてみた。
これは自分の考えた事をログとして残して、ログの能力で見つかった永久記録をメモと読んでいる。
・部屋の前を歩いたを細かくするとその部屋がなんの部屋か『名前』が分かる
・見たもの聞いた物がログとして残る
・認知されて居ない物はログとして見る事が出来ない
・ログは関係ないが全員分の部屋がある事から昔から計画していた可能性がある
・部屋には余裕がまだある(分かった理由は俺の部屋と隙間の1部屋を挟んでクラスメイトの部屋だったから)と予想
・魔水晶で属性を確認(俺には光らなかったので属性なし、ハズレとなった)
こんなところか?
明日は何をするのだろうか?早く帰りたいので魔王を倒してくれ。
意味の分からない乗り気が高いクラスメイトに丸投げする。
「帰っても⋯⋯胡桃が元に戻る訳では無い、よな」
そう考えながら目を瞑る。
この世界は異世界、スキル見た感じに魔法?なる物がある。
「万能回復!」
万能、ならば心や精神の回復もできるのではないか?
だが、クラスメイトを頼る事は出来ない。
「復讐出来たらいいのに、法律やあいつらの伝がッ!」
すぐに帰りたいと思っていたが、ここでもやれる事がある事に気がついた。
胡桃は今のところ大丈夫だろう?分からんが。
その為にすぐに帰りたい。
でも、妹を助けられる手段がこの世界にはあるのでは?
魔法とかよく分からん法則があるのだ。
さらにクラスメイトの中に『万能』回復なるスキルを持っている人もいるのだ。
『万能』でなくとも、『精神』或いは『心』に特化した回復魔法、或いは薬があるのではないか?
ならば、やる事は『胡桃を救う薬』を探す事だ。
「そうだ!そうだよ、ここは日本じゃない。あいつらの親の力はここでは通用しない。スキル的に俺は弱いだろう。だが、ログを使いこなしたら相手の行動パターンやら諸々が分かる可能性がある。上手く立ち回れば⋯⋯⋯⋯復讐ができる?」
そう結論つけた瞬間に俺の顔は口が裂けるのではないかと言うほどにニヤケ、高笑いする。
ただ、狂ったように。
「両親を自殺に追い込んだあの水美も!胡桃の初めてを、心を壊した遥斗にも復讐できる!はは、ハハハハハハハハハハハハハハ!アハハハハハハハハハハハハハハ!」
まずは、いつも通りに雑魚でいよう。実際雑魚だし。
だが、いずれは復讐してやる!俺達の人生を狂わしたあいつらに!嘲笑い、俺をサンドバッグに使い、法律を無視したイジメをしてきたクラスメイト!教師!その全てに復讐してやる!
忘れるな!この復讐心だけは忘れるな!
そう、心で呟きながら寝た。
翌日になった。
「胸苦しい朝だ。そもそも召喚される前は朝だったのに召喚終わったら既に夕方っておかしいだろ?そんで、翌日だろ?なんなんこの世界」
だいぶ冷静な反応ができるようになった。
『コンコン』
ドアをノックされる。
普段から俺はログを出す事にした。便利なのと信用できるモノがこれしかないからだ。
・仕えのメイドにドアがノックされた
ふむ?(-5)が無いな?
「なに?」
「朝食をお持ちしました」
「ん、ありがとう」
「入ります」
メイドは部屋にある机に朝食を並べてからドアのそばまで動く。
・メイド(-6)が朝食の準備をした
・机の上に毒なしの朝食が並べられた
マイナスが増えているな?これは好感なのかな?
俺は朝食を食べなからログに関する情報をまた探る。
例えばこのメイドに関する事だな。
・メイド 翔大のお世話役メイド 好感度-6
こんな事しか分からない。
ふむ、これだと検証が難しいな。
でも、俺が知らない部屋の名前とかが分かるのだから他者のスキルも分かると予想される。
なので、クラスメイト達のスキルの内容が見える方法を探る。
今日の目標だ。