異世界魔法
補足として、魔法発動の際にハヤトは詠唱していますが、イメージを明確にするために声に出していると考えてください。(内容によって長さも言葉も変わる)
人によっては無詠唱で発動できますし、長くもなります。
例えば、手に火を出したいのなら「《我が手に、火をともせ》」。前にある木を燃やしたいなら「《木よ、燃えろ》」。敵を攻撃するなら「《我が敵を焼き尽くせ》」など。もちろん中の言葉によって威力も範囲も変わります。
また、テンプレート化、マニュアル化されている魔法もあるので、魔法名を唱えるだけでも発動させることが出来ます。「《呪文》魔法名」という組み合わせも有り得ます。
数学で表すなら、
無詠唱=答えを知っている
魔法名=答えを即導ける
呪文=答えを素早く導く術を知っている(公式)
呪文+魔法名=とりあえずできるだけ分解して途中式を書きまくる。
分かりにくかったらごめんなさい。
こんな感じのイメージでこれから分けていきます。
上に行くほど熟練度が上がっていくという感じです()
無事王都に着いた一同は第三門をくぐったところで、一旦各自解散となった。
既に王都にも狙撃の件が伝わっており、各門とも検査が厳重になっている。
「それじゃあ、ここからは各自解散ということで。それと、ハヤトくん達に指名依頼を出しとくから明日にでも受けてね。この世界を代表しての慰謝料も含まれているから。」
「はい、分かりました。明日にでも組合の方に顔を出します。お世話になりました。」
「うん、それじゃあまた会おう!では老師、行きましょう。」
「うむ、ハヤト楽しんで参れ。」
「師匠もありがとうございました。」
師匠の交友関係の広さというか深さにはもう驚かないことにした。きっと、僕が想像するよりもこの国での立場は上なんだろう。
近衛騎士団長と談笑しているのを見れば、それは明らかだろう。
それにしても、騎士団の団長とか、師匠とか組合長とか偉い人とばかりあってる気がする。
保護というか、大切にしてもらってると言うか、この世界がというよりこの国が特別なんだろう。
これがもし地球なら、異世界人とか頭おかしいと思われるし、そのまま病院で検査入院だろう。
運が悪ければモルモットなんてのも有り得ない話ではないだろう。
この世界には医療という分野はあまり発展してないようだし、基本は回復魔法で頑張る(再生する訳でもなく、骨折がすぐに治る訳では無い)みたいだし。
なるべく怪我をしない方が吉だろう。正直、剣の才能とかよりも、魔法の才能で良かったと思ってる。
剣だと間合いが短いし、その分怪我のリスクが高い。当たれば必ずと言っていいほど怪我をする。
それに比べ魔法は中遠距離、察知するのが早ければ十分かわせるし、対処の仕様もある。
「とりあえず、今日はどこかで一泊して休もう。精神的に疲れたよ。」
「そうしますか〜、って私は自分の部屋があるからそっちに帰るけど。」
「では、宿を探しに行きましょうか。ミリス、また明日会いましょう。」
「はいはーい、私もちょっと組合に寄りたいし。じゃあねー」
ミリスは組合に、ハヤトとダリアは今夜の宿を探しに宿場エリアへと向かう。
夕食にするにもまだ早い時間、無事取れた宿で久しぶりのベットを満喫する。
「ふぅ……。探知出来る魔法とか作れないかな……、てかもうあるかもしれないけど。うーん……」
暇な時間をいかに過ごすか、地球人にとってのこの世界での行き方である。
スマホもゲーム機もない、あるのはオセロなどの卓上ゲーム。
魔法が使えれば、厨二心くすぐる妄想を現実のものへとできるのでいい暇つぶしの道具である。
例えば、練り上げた魔力を薄く広げていって、別の魔力を持つものに当たると分かる。ソナーみたいな魔法だとまだ難易度は高くなさそうだな。でも問題は魔力の波が反射してきてもその距離が分かるのかどうか。そもそも人間の体で出来ることと出来ないことがある以上、その壁を超えることは出来ないだろうし。
一番簡単なのは、敵意とか殺意を察知出来れば確実なんだけど、そんな曖昧なもの分からないし、それなら内魔力の動きとかを察知する方がまだ出来そうた。
「兎にも角にも、魔力の扱いをもっと上手くできるようにならないとなぁ。こう魔法を考えたりするのって、小説とかに出てくるゲームのキャラ設定みたいで楽しいけど。」
夕食までの時間と、そのあとの時間をひたすら魔法に対する思考の時間に費やした。
成果と言っては、化学や物理学と言った地球産の知識をふんだんに使った地味だけど効果はえぐい魔法をいくつも考えついた。
例えば、一定範囲を魔力で区切り、中の酸素濃度を薄くする魔法。仮称エア・ロスト
火や雷を利用してプラズマを作る魔法。(現在はアイデアのみ)
水魔法で氷を、土魔法で塩を生み出し凝固点降下という現象を利用した範囲冷凍魔法。仮称ブリザード
他にもまだ幾つかある。
冷凍魔法くらいなら氷の魔導師(水の魔導師では無い)であれば、凝固点降下を利用しなくてもこれ以上のことが出来そうではあるのが怖い。もしかすると、分子や原子レベルで魔法を作用させているのかもしれない。分子や原子の動きを仮に止められるとしたら、それはもう絶対零度だ。普通の人間に叶うわけが無い。
具体的な知識がないことを祈ろう。
まず関わることはないだろうけど。
詳しい魔法の妄想……、研究に関しては学院に通えるようになってからの方が色々と都合が良さそうだ。