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神となった異世界人は、異世界の知識をもって世界を繁栄させる。  作者: 千寿
第一章 異世界の国エルドラ王国編
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冒険者組合

 店で料理の美味さに感動し、宿で泊まった翌日。

 ハヤトの希望で冒険者組合に行くことにした。

 冒険者組合は第三門エリアにある組合所に行けば手続きをしてくれるという。

 王都には各エリア内に組合所はあるのだが、今いる1番外側のエリアには解体所と依頼の斡旋所しかないのだ。

 この国の冒険者組合本部は第二門エリアにあり、普通はあまり行くことがないという。

 冒険者組合は国や貴族からの寄付や、依頼達成時に手数料として一割の手数料をとり運営されている。

 また、冒険者組合という組織は世界の中央にある魔導国に統括本部を置き、世界中の冒険者組合をまとめている。(※より詳しい話はまた別途)




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 第三門も昨日貰った証明書を提示することで難なく通過し、荷物を預けるために今晩の宿を探した。

 ここでは素泊まりではなく、追加料金を払えば浴場と食堂でのご飯を食べることが出来る。


(過去の同郷の方々、お風呂文化を広めてくれてありがとう……。)


 ドレアスにいた頃は領主の屋敷に住まわせて貰っていたのでお風呂文化はあるにしても、上流階級だけだと思っていた。


 ご飯や浴場に関しては必要になった時に受付で支払えば言いそうなので、とりあえず部屋を借りる。

 一人部屋を隣で二つ。

 昨晩は王都と言えど外壁区なのでと言われ同室だったが、ここまで来ればさすがに安心できるらしい。

 ハヤトとしても心臓に悪いのでその方がありがたかった。



「まずはお風呂♪」



 浴場なので他の客と共同ではあるが、時間も時間なので貸切状態になっていた。

 脱衣場は、木枠のロッカーに(かご)が入っていて、そこに衣服を入れる銭湯方式である。

 さすがに半透明のドアではなかったが、レンガで作られた作り。

 和のものに洋風の現在は日本人として違和感しかないが、贅沢は言ってられない。

 そんなことより久々のお風呂にテンションが上がってる。



「よし、石鹸もあるな!」



 固形石鹸で泡を立て、体を二回洗う。


 泡が立ちにくいのと、長い間体を洗えていないので気分的に二回洗いたかった。


 しっかりと泡を落とし、いざ湯船へ。



「ふぅぅ……、生き返るぅ〜。」



 三十分くらいになるだろうかハヤトとしては長めに浸かっていた。



「そろそろ、行かなきゃなぁ……。でも、もう少しだけ。」



 そのままのぼせ上がる1歩手前でなんとか浴槽から出ることが出来た。




「ハヤト様……、やけに長いと思いましたがのぼせるまで入ることは……。」


「うん、そうだね。つい久しぶりのお風呂にテンション上がっちゃった。」



 ひとまず部屋のベッドで寝転がりハヤトはダリアに扇がれている。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






 宿から歩くこと二十分。

 街の一角に建てられた三階建てのレンガ造り。

 敷地面積が周りの建築物より何倍も広く、これなら間違えることもないだろう。

 まぁ、明らかに一般人じゃない人が出入りしているのだから間違えることはないのだが。



 入口は両開きの鉄扉。

 組合の営業時間は常に扉が開けられており、外からでも中の様子がある程度分かるようになっている。


 今は昼前とあって人の出入りは少なく、中にもそこまで人はいない。

 入口から入って正面に受付窓口が十個ほどあり、そのうち半分に人が待機している。



「すみません。」


「はい、如何致しましたか?」



 話しかけた女性は明るい水色の髪が肩口に揃えられているのが特徴の若い人だ。



「冒険者組合に登録したいんですけど、どうすればいいでしょうか。」


「冒険者登録でしょうか?推薦状などはお持ちでしょうか?」


「推薦状?ダリアさんありましたっけ?」


「すみません、ありませんね。あの方の事ですので実力で何とかなると思っているのかと。」


「らしいです。あの、推薦状がなければ登録は出来ないんでしょうか?」


「いえ、試験官と模擬戦や面接での評価で決まりますので推薦状がなくても問題はありません。もし、試験を受けるのでしたら試験官の予約を入れますが如何致しますか?」


「お願いしてもいいですか?」


「分かりました。では試験官の予定を確認しますので少々お待ちください。」



 そう言うと受付嬢は奥に行き、ボードのようなものを持って戻ってきた。



「今、試験官は全員出払っているので今日の夕方か明日以降になりますね。どうなさいますか?」


「なら、今日の夕方でいいですか?」


「はい、ではそのように予定を組んでおきますね。一応、こちらの木札を受付に渡してください。そうすればあとは説明してくれると思うので。」


「ありがとうございます。それで夕方のどれくらいにこればいいですか?」


「んー、そうですねぇ……。冒険者の方々がまとまって帰ってくるのでそれくらいの時間ですかね。それくらいの時間なら間違いなくいるので。」


「わかりました。」


「はい、では後ほど。」




 冒険者組合を後にした二人はお昼ご飯をどうするか街をぶらついていた。


「……?どうされましたか?」


「んー、いや。なんーかひっかかってね。まぁ気のせいかな。」


「そう、ですか。」

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