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風斬る夜に  作者: 縦院 ゆい
夏休み
9/21

置き去り

 近くに置いてあった携帯から音楽がなる。

「時間、か」

 俺は体を起こす。その時、かけられていた毛布がずり落ちる。

 布団なんて、持ってきたか?

「天青」

 隣から俺を呼ぶ女の声がする。

 薄暗い中、瑠璃がすぐ隣にいた。

「お前……よくここが分かったな」

「ううん、天青のお母さんに連れてきてもらったの」

「そうか」

 俺は立ち上がる。

「お母さんは呼ばなくていいの?」

「あぁ。母さんはあれでも結構強い術が使えるから、心配ない」

 俺は部屋の四隅に札を張り付けた。

「今晩はここから出るなよ。あと、今から結界を張るから、この札も剥がすなよ。これがある限り、まず魔物は入って来ない」

 俺は数珠に似た封印用の道具を手に、術を唱える。

 何重にも細い線が部屋の中に張られる。

 俺はその道具を床においた。

「万が一の時にはそいつを使え。お前なら、持ってるだけで身を守ることはできるだろうから」

 俺は部屋から出ようとする。その時、瑠璃に服を掴まれた。

「ほんとに……行っちゃうの……?」

 不安そうな声で、俺を引き留める。

「悪いな。これでも俺は風斬の一族。役目は果たさなきゃいけねぇんだよ」

 俺は瑠璃の手を外す。

「必ず、戻ってくるから」

 俺はそう言って戸を閉めた。


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