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風斬る夜に  作者: 縦院 ゆい
夏休み
13/21

お別れ~また、会う日まで~

 包帯男が消えたあと、しばらくして天青は目を覚ました。

 ショックだったのだろう。

 自分が包帯男に乗っ取られ、私を襲ってしまったことが。

 天青は震えていた。

 何も言わず、逃げるように小屋から出ていってしまった。そして今、自分の部屋に鍵をかけている。

「瑠璃ちゃん、怖い目に合わせてすまない」

 お父さんが謝る。

「私はいいんです。でも、天青が……」

「たぶん、落ち着いたら、部屋から出てくると思う。今は、そっとしておこう」

 お父さんはそう言っているけど、どうしても心配だった。


 天青の部屋の前。

 何も音は、聞こえない。

「天青、ごめんね」

 閉じられた扉に向けて言う。

「分かってる。天青が私のこと見たら、夜のこと思い出しちゃうことぐらい。だから、私のことを見たくなくて、声も聞きたくないのも分かってる。でも、これだけは言わせて」

 扉に手を当てる。

「ありがとう。天青は、あのとき、ずっと頑張っていた。『助けて』って言ったとき、天青はちゃんと助けてくれた。だから、そんなに落ち込む必要なんてない」

 手を離す。

「あのね、私、近いうちに天青に会える気がする。そのときはまた、よろしくね」

 私は部屋をあとにした。


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