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神魔間隙アウルファイン

ブレイツのダメ姉観察日記

作者: 束間由一



 私は、ブレイツ=イマディオ。

 共和国特殊部隊「アウルファイン」のメンバーです。


 今日は、同じくメンバー1人で私の姉であるバラードの一日を観察してみたいと思います。

 皆様、よろしくお願いします。


 朝。

 姉は出勤のため城に向かいます。

 とても足早です。なぜなら、寝坊したからです。姉は夜更かしする割る癖があり、そのうえ大酒のみなので結果的にこうなるわけです。あんなに飲んで二日酔いにならない事だけは感心します。


 あっ、姉が何かに気づきました!

 足元に、銅貨が落ちていたようです。ようするにお金ですね。

 姉は、これを拾い上げると、あたりをきょろきょろ見回してサッと懐に仕舞い込みました。座右の銘が「拾ったものは俺のもの」なのでしょうがないですが、まったくもって気心の小さい人間であります。 


 城に着き、エミリオ隊長の元にたどり着いた時には、集合時間からゆうに一時間ぐらいが経過していました。緊急事態が起こってたら、どうするんだと言う感じですが、姉は非常に運と勘が良いのです。今日も、特に問題はなく、普通の勤務がはじまりました。ちなみに、エミリオ対隊長は温厚な人物なので姉を叱ることはありません。たまには拳骨でポカンと殴っちゃってもまったく問題ないと思うんですが……


 見回りを任されたのですが、姉はやっぱり城のバルコニーでサボっています。

 しまいには、歌まで歌いだしました。呑気なもんです。元々が傭兵だから縛られた生活は苦手なのでしょう。でも、「アウルファイン」に選ばれたのだから、きちんと仕事はしてほしいものです。


 結局、ほとんど働かぬまま勤務時間を過ぎ、姉は城を足早に出ます。来る時も帰るときも早足です。こうやって書くと紛らわしいですが足早で早足なのです。それで、どこを目指したかと言うと、やっぱり市街地にあるカジノでした。姉はギャンブルが大好きなのです。


 早速、お金をメダルに交換する(拾ったお金も使いました)と、スロット台をよーく選んでから座りました。長年やっているからその辺は詳しいのかと思いきや、スロットにどんどんメダルは吸い込まれていき、終いには姉は頭を抱え込みました。姉は、ギャンブルは好きだけど強くはないようです。たしかに今までも勝って上機嫌で戻ってきたことなんてほとんどありません。そんなに負けるんならやめればいのに、と思うんですが、負けず嫌いの姉がそう簡単にギャンブルから足を洗うというのは無理な話でしょう。


 その後も、散々な結果に終わった姉が次に向かったのは酒場でした。

 傭兵時代から行っていたのでしょう、カウンターテーブルに座り込むと、安い酒を頼みます。マスターとは顔なじみになっているようで、会話が始まりました。姉は、がぶがぶと酒を飲み続け、どんどんその口調は軽くなっていきました。元々軽いものがさらに軽くなった感じで……?


 ええっ!? ちょっと、お姉ちゃん!?

 何やってるのよこんなとこで!! ストップストーーーップ!!

  

 ここから先は、あまりに過激なためお見せできません。

 以上が、私の姉バラード=イマディオの一日の様子です。


 このように情けなくてしょうがなくてしょうがない姉ですが、いざ戦いになるととても頼りになるんですよ。戦いの時だけは頼りになる存在なのです。どこかで、その活躍をお見せできると良いですね!


 では、またお会いしましょう。


 (※なお、今回の観察はエミリオ隊長からの指令で行いました)




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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですね。 ダメ女を書くのが上手ですね。 [一言] 自分の独身時代を思い出します。 仕事⇒パチスロ⇒居酒屋(まれに風俗) 押忍!番長とかなつかしいなあ。 最近は2が出てるのか。
2012/03/23 18:21 退会済み
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