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第3話③『海でナンパ!?』

「ふぇ?えと、それはどういう…………」

戸惑う霧亜。

「一目惚れってこと。あなたが可愛すぎて好きになっちゃったみたい。」


女は電話をしていた。

『ターゲットはどうした?』

「それが、どこかに行ってしまったようです。」

『何?張り込んでいなかったのか?』

「すみません……タイミングを伺っていたんですが、どこかに出かける予定のようでした。」

申し訳なさそうにする女。

『なんとしてでも突き止めろ……いや、旅行とかならすぐ帰ってくるか?その時に確実に()()()よう準備をしておけ。』

「はい…………」

プツッ。

話が終わり、通話を切った。


晩ご飯までの間、霧亜たちは桃太郎電鉄ワールドの3年決戦で遊んでいた。因みに霧亜たちが所有しているNintendo Switchである。

「やった、勝ち〜!」

喜ぶ雛瀬。

「むすっ……」

霧亜は健闘むなしく4位になってしまい、むくれている。雛瀬が3位で、茉鈴が2位。

「む〜……2回もキングボンビーになったし3回もスリ銀……しかもゴールなし……くすん……わたし運悪いとは思ってたけどこんなにだったことってないよ……」

あまりにも戦績がひどかったようで、霧亜はとても落ち込んでいた。

「もうやだ……ぴぇ…………」

そっぽを向き、ふてくされたように寝転がってしまった。

「おーよしよし、霧亜。」

茉鈴が優しく霧亜の背中をさすった。

「ふえぇぇぇぇん……ふえぇぇ……」

「かわいい霧亜。」

「びえぇぇぇぇ……」

しかし、泣き出した霧亜はなかなか泣き止まなかった。

「……こんなに泣くなんて、霧亜らしくないね。桃鉄以外がよかったかな?」

「ぴえぇぇぇぇーーーー!!あぁぁぁぁーー!!」

「ちょ、ごめんって霧亜。だから泣き止んでよ……」

しかし、霧亜が泣き止むことはなかった。

「あの……どうしてこんなに泣いてるんですか?」

「あ、わたしも気になる……」

見かねた千彩が、茉鈴に聞いた。雛瀬も気になっている様子。

「ああ、それは霧亜のママとのことがあるんじゃないかな……霧亜から聞いてない?」

「あ、そのことですか!?」

「霧亜は、ママとうまくいかなかったのを運だと思ってるみたい。それから霧亜は自分の運が悪いと思い込むようになった。いつしか本当に運が悪くなって、それを実感すると嘆くようになった。」

「運……なんですか?」

「そうだよ、雛瀬ちゃん。よく考えてみて。誰に対しても平等に、キラキラな笑顔で仲良くしたそうな目で接してくるのはよく知ってるでしょ。そんな霧亜の人間関係の失敗が、本当に実力だと思う?」

「……思いません。」

「そういうこと。霧亜があまりに楽しそうにしてるから、桃鉄が運ゲーだってやる前まで忘れてた。霧亜は……ママに人生を狂わされたんだよ。」

そう言った茉鈴の表情は、とても悲しそうなものだった。

「霧亜、起きて。」

千彩が優しく声をかけた。

「千彩……ううっ、うう…………ぴえぇぇぇぇ…………くすん。」

「霧亜。」

千彩が、霧亜を抱き起こした。

「そろそろお風呂行こ。まだ晩ご飯まで時間はあるし。」

「ぅん…………」


脱衣所で着替えている4人。

「霧亜おっぱいでか〜い。ちょっと触らせて〜?」

「雛瀬……ま、まあいいけ」

「ちょっと待って!霧亜はあたしのなんだけど!」

雛瀬に胸を揉ませようとしていた霧亜に茉鈴がストップをかけ、ぴたっと霧亜にくっついた。

「茉鈴、別にわたしはいいよ……」

「え〜!でも他人におっぱい揉ませるのはやりすぎ!あたしたち幼馴染なんだからさ〜。」

少しむすっとした茉鈴。

「わかったよ。」

霧亜はそれに同意したようだ。茉鈴の頭をなでなでし、茉鈴は霧亜に頭をなでなでされてとても嬉しそうだ。

茉鈴のほうが3つ年上だが、霧亜のほうが15cmは身長が高い。傍から見たら、霧亜のほうが年上のように感じてしまうだろう。

「霧亜エロい〜。」

雛瀬が霧亜の体をまじまじと見つめる。

「エロいって言われるとちょっと反応困るってば〜。ま、褒め言葉って受け取っとくけど。」

そして、4人は全裸で温泉へ。

まずは掛け湯。

霧亜は頭からお湯をかぶった。髪が濡れて伸び、胸や股間、むちっとした太ももを伝って床に流れ落ちていく。

「霧亜〜。」

茉鈴が、霧亜に後ろから抱きついた。

「んッ……っあっ。」

裸ということもあり感触が地肌に伝わるため、茉鈴に体を触られて思わず声が漏れ出てしまう。

「霧亜、体洗いに行こ。」

「う、うん……」

鏡の前に移動する霧亜と茉鈴。

その様子を、雛瀬と千彩はじっと見ていた。

「千彩、あの2人、なんかスキンシップ激しめだよね。」

「あ、うん……」

「幼馴染……なんだよね?」

「まあ、霧亜がそう言ってるしそうなんじゃない……仲良い幼馴染だよね。」

千彩の表情は複雑だった。

一方、霧亜と茉鈴は体を洗いっこしていた。

「霧亜、体洗ってあげる。あたしの世話で疲れてるでしょ。」

茉鈴がボディソープをプシュッとてのひらの上に出し、霧亜の体を素手で撫でていく。

「まあ疲れてないって言っちゃ嘘になるけど……んッ……ん!」

「どしたの?」

「く、くすぐった……んんッ!ん!!」

霧亜は、茉鈴に体を撫でられピクピクと痙攣していた。

スリ銀って1億以上でしか出ないらしいのに、よくボロボロ戦績で3回も出たなぁ……可哀想に……

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