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第2話③『楽しみな夏休み』

(霧亜…………霧亜は誰にでも優しくできる女の子だから。ルームシェアで社畜の世話してるのに自分のことも気にかけて、すごいよ霧亜は。それに比べてあたしは……)




千彩が大学に入学した頃。

「ふー……」

適当な席に座り、息を吐き出す千彩。

「はぁ。」

ため息をついた。

千彩は高校までほぼずっとぼっちだった。なんとなく話しかけてくれるクラスメイトがいるにはいたが、基本はずっとぼっち。

iPadの画面をつけ、ゲームを起動。

「あー!原神だ〜!」

横から、底抜けに明るい声がした。

千彩が、その声のした方向を振り向いた。

その顔はとても美人で二重まぶた、ぷるぷるとしていて(つや)のある唇、鼻はシュッとしていて高い。

鼻は高いが外国人女優のような感じではなく、日本人の感じのまま高い鼻に相性がいいような顔立ち。高身長だからか、高い鼻がより違和感なく馴染んでいた。

あまりにもナイスバディで、思わず胸に視線が吸い寄せられた。

(おっぱい……)

「九条霧亜、よろしくね!」

にこっと笑った女子生徒、九条霧亜。

「あ、うん…………」

あまりにも霧亜の胸が大きすぎたため、じっと眺めてしまっていた。

「んー?どうしたの〜?」

「あっいや……なんでも…………」

ふいっと目を逸らす千彩。

「もしかしてわたしの胸、気になった?」

「い、いやその…………」

「まあ、美容には気を遣ってるからね〜!」

霧亜は、千彩のほうを向いてにこっと笑い、千彩に顔を近づけた。近くに寄ったことで、唇の艶と、綺麗でシュッとしている鼻がより強調された。鼻筋にでこぼこにところはなく、鼻の穴はどの角度から見ても細長くて綺麗。

(わっ!近っ…………顔綺麗…………顔が綺麗な人ならいるけど鼻の穴までこんな綺麗に並んでることあるんだ……)

ドキン、ドキン、ドキン、ドキン──

(っ!?)

霧亜の綺麗な顔をじっと眺め、心拍数と体温が上がっていることに気づいた千彩。

「い、いいなあ……おっぱい大きいの。美人だし……」

「そう?ちょ〜うれしい!ありがと!あなたの名前は?」

「こ、小織(こおり)千彩(せあ……」)

「氷?」

「あ、アイスの氷じゃなくて……漢字はこう。」

名前の書いてあるものをカバンから取り出し、霧亜に見せる千彩。

「んっ、んん〜〜!かわいー名前!」

そう言いながら、伸びをする霧亜。腋があらわになった。

「えっ、そ、そうかな……えへへ…………」

霧亜のコミュ力と笑顔に、たちまち千彩は笑顔になっていた。


「でさー霧亜!」

「なになに〜?」

霧亜はその他にもそれなりに仲のいい人はいるのだが、千彩、雛瀬と特に仲良くなった。人数を絞ったのは忙しくなりすぎるのを防ぐためで、決して人を見下したりなどといった考えではない。

千彩も、霧亜の影響なのか人とコミュニケーションできるようになっていた。


「あたし……霧亜のことが好きみたい…………」

ある時1人でいる千彩は、そう呟いた。

「コミュ障だったあたしにも優しくしてくれて……それにあんなに美人で…………」

霧亜のことを考えると、ドキドキしてしまう。




「あたしも霧亜の手料理食べてみたい〜!」

思い切って言葉を口にした。

「千彩……」

「っ、だめ……かな?」

一瞬戸惑うような、たじよぐような動作をする千彩。

「ありがと!もちろんいいよ〜っ!」

霧亜がぱあっと笑顔になった。

「霧亜の手料理食べてみたけどめちゃ美味かったよ?」

「え、雛瀬食べたことあるの?」

「うん。お泊まり会でね。まあルームメイトだっていう吉田さんもいたけど……」

「えーずるい!あたしも食べる!」

そんな2人のやりとりを見ていた霧亜。

「ふふっ。」

霧亜から笑いが漏れた。

「霧亜?」

「ああなんでもないよ千彩。でも、茉鈴が金稼いでくれてるからあんまり負担かけたくないんだよね……わたし家事優先でバイトけっこう短い時間しかしてないし。それなのに茉鈴は疲れてるから、なおさらわたしは家事優先かなって。一瞬バイト増やすからって茉鈴に言っちゃったけど、それでも茉鈴の仕事量が減りそうな気がしなくてやっぱ家事優先にしようって思った。」

霧亜が、自分の考えとその変化についてを口にした。

「負担かけたくない?じゃあさっきのありがとって何よ。」

不思議がる千彩。

「え?そんなのと…めっちゃ仲良い人から『手料理食べてみたい〜っ!』なんて言われたら嬉しいに決まってんじゃん。雛瀬も千彩もめっちゃ仲良いじゃん!」

しかし、霧亜はさも当たり前と言いたげな表情。少しきょとんとしてから、ぱあっと笑顔になった。そんな笑顔に千彩は少しドキッとし、雛瀬はほっこりとした。

「ってわけだから。雛瀬、ごめんだけど千彩が来る時は雛瀬はお泊まりなしでもいい?代わりに何かできることはしてあげるから。」

「全然いいよ〜!ほんとは行きたかったけど。」

霧亜のにこにこ笑顔に、雛瀬は少し笑いながら快く了承した。

「それでさ!夏休みみんなでどっか行かない!?」

突然、霧亜が大きな声でそう提案した。その顔はとてもキラキラとしていて、笑顔。


その日の夜。霧亜と茉鈴に加えて千彩が来ていた。

「それで、その2人とは何か予定組んだの?」

茉鈴が霧亜に聞いた。

「あたしたちが考えてるのは、海かプールに行くことです。良かったら、えと…………吉田さんも来ませんか?」

「あたしも行っていいってこと?」

と、茉鈴が聞いた。

「霧亜と仲良いじゃないですか。なのに来るななんて言えませんよ……」

「優しいね。」

「あ、どうも……」

2人の会話。その間、霧亜は料理を作っていた。

「はーいできたよ〜!」

霧亜が料理を運び、晩ご飯が始まった。

食卓は霧亜を起点にとても明るい雰囲気で、話が弾んでいる。

「霧亜ってでっかいのに撫でると小動物みたいににこにこするから超かわいいんだって!」

「わかります!」

茉鈴と千彩の会話。霧亜がいるからか、2人は既に仲良くなっている様子だった。

「ほら見てて!」

茉鈴が、隣にいる霧亜の頭をなでなでした。

「えへへ〜っ。」

頭を撫でられ、霧亜はにこにこ。

「霧亜かわいいね?」

「千彩…………ありがと。嬉しい。」

「嘘じゃないよね?」

「もー。嘘じゃないってばぁ。」

「ふふっ、わかってる。」

にこりと笑う千彩。

(千彩……いつか答えを出さなきゃいけないんだよね…………わたしは男子からも告られ慣れてるからいつも通りできるけど、わたしの返事如何では千彩の方がわたし見てギクシャクするんじゃないかって、そこが不安…………)

霧亜はそんなことを考えていた。

「ごちそうさま〜!終わったら皿持ってくから言ってね!」

そして3人は、しばらくトランプやNintendo Switchで遊んだりしていた。

寝る時間になり、3人はベッドへ。

「ベッド3人までならまぁ入れるけど、どういう並びする?」

「「霧亜の隣。」」

霧亜の質問に、茉鈴と千彩は即答。

「きーりあっ。」「霧亜。」

茉鈴と千彩が、霧亜の頭をなでなでした。

「えへ。えへへ……えへっ。」

2人に頭を撫でられ、とても嬉しそうな霧亜。

霧亜はヨッシーのぬいぐるみを抱っこし、寝転がった。その両隣に、茉鈴と千彩。

「茉鈴。もし唯が見つかったらさ、ルームメイトにしてもいいかな?」

「もちろん。でも、望み薄だとは思うけどね……」

「霧亜、唯ってだれ?」

「茉鈴の妹。」

寝る前の会話は、お泊まり会の雰囲気を感じさせた。

霧亜の体をゆっくりと撫でる茉鈴と千彩。

しばらく撫で続けていると、

「えへへ、えへ、えへ〜〜…………すぅ…………すぅ…………」

霧亜はそのまま幸せそうな寝顔でまぶたを閉じ、ゴロンと転がって腕を伸ばした。半袖なため、霧亜の綺麗な腋がさらけ出された。

それをじっと見つめる茉鈴と千彩。


「何?吉田唯が見つかっただと?」

とある場所で、男と女が会話していた。

「ええ。いろいろ調べててわかったのよ。」

女は、手元に何かの資料を持っていた。

「十中八九、吉田唯で間違いないわ。探すの苦労するかと思ったけど、まさかあんなに簡単に見つかるとはね。」

「なるほど。依頼主からの要望はわかっているな。」

「ええ。他にはなるべく手を出さず、()()()()()()。」

「そうだ。ターゲット以外に干渉するのは余計なリスクでしかないからな。」

主人公だけやたらと身体的特徴の描写多くないですか?

はい。ヘキェェはすべて主人公に詰め込みます。


高身長ナイスバディは性癖です。鼻はベースが某女優のイメージで、そこからもう少し高いです。

そんなに高くして大丈夫?と思う人もいるかも。日本人は低い鼻が好みらしい?ですが、霧亜はそれでもいろいろあって超モテます。

主人公の身体的特徴はほとんど癖で構成されています。特に体型と鼻。


「わたしの胸気になった?」が自意識過剰ととらわれないか?がちょっと心配ですが、そこは霧亜の優しそうな雰囲気がそう感じさせないってことにしといてください。

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