第1話①『ドキドキ百合ルームシェア!』
「ただいま霧亜〜。あ゛〜つかれた〜!」
「あ、おかえり茉鈴。ごはん作ってるよ〜。」
︎︎ 茉鈴と呼ばれた女は、スーツをさっさと脱ぎ捨ててソファへダイブ。
「いつもありがど〜!マジ天使だわ〜!」
九条霧亜、21歳の大学4年生。大阪府内のアパートで、OLの吉田茉鈴と暮らしていた。2人は、幼馴染である。
︎︎部屋の内装はとても綺麗で、壁は白を基調としている。茶色い食卓とその近くにはキッチン、黒い机などに加え、すりガラスのついたスライド式のドアもある。
茉鈴はぐったりとした様子でソファにもたれかかった。時計は19時を示していた。
2人は容姿が似ており、それが理由でペアルックをすることがあった。今は茉鈴がOLになり余裕がないからか、あまりペアルックをしていない。
「あ゛〜しんどっ。」
背中を大きく反らせた茉鈴。茉鈴の綺麗な喉があらわになった。
「霧亜〜。」
ぐったりとした声で茉鈴が霧亜を呼んだ。
霧亜が近づき、頬を差し出した。
チュッ。
茉鈴が霧亜の頬にキス。
「あー回復する〜。」
「茉鈴、風呂どーする?」
「霧亜と入る。」
ソファでぐったりしながら、茉鈴は大きく息を吐いた。
「ぅん…………」
小さく声を絞り出した霧亜。
「それより腹減ったから飯だよ飯〜!」
「うん、今皿運ぶからゆっくりしてて〜!」
「だずがるわ〜。」
霧亜が机に皿を運んでいく。
白米と惣菜。よくある晩ご飯だった。
「いただきます…………づがれだ〜!今日上司にぐちぐち言われてさ〜!ハズレ上司の出勤日だったの〜!!」
「それは大変だったね……」
「霧亜もバイトしてるならわかるでしょ〜?」
「まあやりづらい人はいるよね。うちもそうだよ。」
「でしょ〜!?」
互いに気兼ねなく職場の愚痴を吐き出しながら、料理を口に運んでいく。
「霧亜ってさ、かわいくてボンキュッボンで料理もできるのに彼氏いないの?付き合ってる人とかいないわけ?あたしは社畜だからそんなのあるわけないも〜ん!!」
出会いのなさを嘆き、愚痴る茉鈴。
「いないかな…………茉鈴の世話してるだけでいいよ。」
「マジ世話係!幼馴染天使すぎ〜!」
「どういたしまして。」
そして食事が終わり、風呂。
「うらやま〜。なんでこんな発育いいのよ〜!興味ある〜!」
「え?」
「かわいーよね、霧亜。霧亜の反応見てると楽しい。おっぱい揉んでいいでしょ?」
「いいけど。」
「んはぁ〜〜!この感触マジ幸せ〜!霧亜、どうしたらこんなにおっぱいでかくなるの?」
「遺伝。」
「あ〜!」
「ひぁっ!ちょ、やりすぎ!!」
「あはは、ごめんごめん。」
翌日。
「おはよ……」
「おはよ霧亜……髪ボサボサなってるよ?」
「あ……」
茉鈴に指摘され、気づく霧亜。
「今日は2人とも休みだね〜。やっっとクソ上司から解放される…………」
ソファにもたれかかって呟く茉鈴。
「茉鈴ときどき死んだ魚みたいな顔して帰ってくるから心配。大変だったら休んだら?わたしがバイト増やすとか茉鈴転職するとか……」
心配そうに霧亜は茉鈴を見つめるが、
「ありがと。でも世話係の天使ちゃんがいるだけであたしには充分よ。ほら、頭。」
すっと頭を差し出す霧亜。
「霧亜、バイクで爆走してどっか連れてってよ。」
「爆走バイクってこと〜!?捕まるからだ〜め!」
霧亜が頬を膨らませ、むくれた。
わしゃわしゃ。
霧亜の頭を撫でる茉鈴。
「それな、転職は難しいの。ブラックって意味じゃなくて、転職しまくると経歴に傷がつく。」
「あ、そっか……茉鈴はさ、その……ほんとにやりたいことやれてる?」
「無理だと思うよ。」
「無理ってそんな…………」
時計は19時を示していたって、書き方変?
霧亜ちゃんの苗字は色々考えてたけど、九条にしました。