スラム街から見る星空
「……これじゃ食い物は買えないか…」少年は廃棄物を漁ってそれを売り、日々の生活を食い繋いでいた。
「……ん?ここは…」スラム街で歩き回っていたら小さい頃に不思議な少女に逢った場所に久しぶりに来ていた。「今日は…ここで寝るか…」スラム街の汚染区域と隣接する場所でレイは5年前に感染した腕に痛みを感じ中々寝れずにいた。すると誰かが来る足音がして、身を潜めた。「久しぶりにここに来たけど…綺麗な星空ぁ!」「あの子は…!」「ん?誰かいるの?」「……セラ…なのか?」「あ!あの時の‼︎久しぶりね!」「ああ…そうだな…」「腕、痛むの?」「ここの近くが汚染区域になってな…売るもの探してたら感染しちまった。ずっと隠しながら生活してたんだが、…」「私なら治せるわ」「魔法か……いや、いい…治った所でここしか居場所が無いからまた感染するんだ。ま、死ぬまでにまた星空を見れたから…よしとするさ。」「ごめんなさい。何も出来なくて…また、来るから。」以前、汚染区域で感染した人達が慈善団体からの支援で治療を受け感染状態から治ってもまた再感染し亡くなる事が多く、スラム街の人の数も少なくなったため支援が打ち切られたという事をシーナから聞いていた。「どうすれば…」セラはシーナに何かできないか相談しようと思っていた。