始まり
満天の星空と月が蒼く輝く夜の下――少女は1人の少年と目が合った。「星も月も綺麗だねー」「あ…あぁ本当にすごいな」「ふふ…いきなり話しかけられてびっくりしちゃった?」「うん、君も綺麗だったから、驚いた。」「え…ありがとう…ふふ、変なの。」「あはは…」「今日はもう帰らないと。……また会えるかな?」「また会えるよ。まだ名前聞いてなかったね、俺はレイ」「私はセラ。また会おうね!」
――「ふああー……あ、また子どもの頃の夢だ…」セラは起きて窓を開けて太陽の光を浴びながら、体を伸ばしていると、「セラー?朝食よー!」「今行くー!」2階の部屋から階段を降り、1階にいるシーナの所へ向かった。「おはよう!今日から学校ね!」「うん!ちょっと緊張してきたなぁ…」「大丈夫よ。ローザが教師としてあなたを見守ってくれるわ。」「え?ローザ⁉︎」「そ。体育教師としてね。」「そんなぁ…学校でも厳しいのはやだー……。」「ふふ…さすがに学校じゃあの時みたいな事はしないはずよ。…ちょっと心配になってきたわ…。」「ちょっと⁉︎大丈夫よね⁉︎」―朝食を終え、家を出る。「ふふ、ありがと!じゃ行ってくるね!」「いってらっしゃい!」
通学の途中、2人の英雄の銅像が噴水の前にあった。「2人の英雄…バルクとクラヴィス兄妹の…」かつて邪神を打ち倒したガルド王国の英雄は今も多くの人達に愛されていた。「私は…英雄に倒されるのかな…」自分の特殊な出自に不安を抱えていた。