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【書籍化決定】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
殺し屋シキ編

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第71話 思わぬ援軍

 翌日の朝。

 僕はチャチャさんとニコさんをイヴさんの工房へ呼んだのだけど、


「あれ?」


 待ち受ける僕とイヴさんの前に現れたのは――4人。ニコさんとチャチャさんと、そして、


「うっす。久しぶり――って程でもねぇか。シキ」


 赤の長髪で、黒のタンクトップとジーパンを着たお姉さんと、


「なにやら面白いことになっておるのう。シキよ」


 茶髪で軍服に身を包んだ小柄の女の子――


「クレナイさんにレンさん!?」


 紅蓮の翼の2人だ。


「どうしてお二人が……」


 ニコさんが前に出て、


「私が誘ったのよ。ちょうど昨日、アンタのメッセージが届いた時この2人と一緒に居たからね。グロウメタルはさらに2人分貰うけど、別にいいっしょ?」


 イヴさんに目配せすると、イヴさんは頭を掻きながら笑い、


「ああ。倉庫は空になるが、仕方ない! 今回ばかりは大放出セールだ!」


 イヴさん……なんかすみません。

 でもニコさんのおかげで戦力は盤石だ。


「ちなみに、ツバサさんは……」


 あの人がいればもう勝ち確みたいなものなんだけど。


「すまんな。あやつは予定があるそうじゃ」


 残念。でもツバサさんがいたら戦力過多で、それはそれで楽しみがないか。


「まぁ心配すんな。話を聞く限り、戦力は十分だろ」

「ねぇねぇイヴりん! この工場に散らかってるメカちゃん達触っていい? チャチャさんの知らないのいっぱいあるんだけど!」

「いいぞ。ただし壊すなよ」

「はいさー!」


 チャチャさん(メカニック)、ニコさん(アタッカー)、クレナイさん(アタッカー)、レンさん(スナイパー)、イヴさん(ドライバー兼メカニック)、そして僕 (スナイパー)。計6人。


 相手は100人以上いるとはいえ、このメンバーなら何とかなる。


「そんで作戦は決まってるのか?」


 クレナイさんが聞いてくる。


「いえ、クレナイさんとレンさんが来ることは知らなかったので、お二人を組み込んだ作戦はまだです」

「まどろっこしいのは無しで頼むぜ。オレは暴れたいんだ。突っ込ませてくれるとありがたい」

「同感ね」


 シーナさん曰く、クレナイさんとレンさんは連携が上手い。

 ニコさんとクレナイさんに突っ込ませて、レンさんに援護射撃を任せれば、僕は()()で狙撃に集中できる。


「わかりました。ニコさん、クレナイさん、レンさん。お三方は正面突破で敵城を崩してください」

「うし! わかりやすくていい!」

「承知した」


「チャチャさんとイヴさんは僕のオーダーした武器の作成をお願いします」

「あいあいさー!」

「オーライ」


「……」


 なんだろう。ニコさんが僕をジーっと見てる。


「ど、どうかしましたか? ニコさん」

「いやアンタ、すらすら話せるようになったわね」

「え!? そそそ、そうでしょうか。ここにいる人たちは顔見知りなので、喋れただけだと思います」

「素直に喜べば? 良いことでしょ」


 えへ、えへへ……ニコさんは冗談とか言わない人だし、僕、ちょっとは人見知り改善できてる? 嬉しいな……。


「ところでアンタさ、この街で『レイ』ってプレイヤーネーム見なかった?」

「レイ? いえ、見てないですね。あ、でも」

「でも?」

「いや! えっとぉ……」


 レイは僕の本名だと、ついうっかり喋りそうになった。

 ニコさんとはいえゲームの世界でリアルの情報をバラすのはなぁ……ツバサさんじゃあるまいし。カタカナで『レイ』なんて名前、僕以外見たことないから、言うのはリスク高い。


「なによ?」

「い、いえ、なんでもありません」

「はぁ? なにか思い当たるなら言いなさいよ」

「な、なんでもないですよ~。えへへ……」

「……」


 ニコさんが僕の頬を引っ張ってくる。


「やっぱ変わってないわねアンタ……! おどおどオドオドと……!」

「ご、ごめんなひゃいっ!?」


 ニコさんの手が僕の頬から離れる。ニコさんは機嫌悪そうに僕に背中を向ける。


「まったく、どこに居るのよ!」

「えっと、なぜレイって人を探してるんですか?」


 僕はほっぺをマッサージしつつ聞く。


「それは……」


 ニコさんは僕の方をチラッと見ると、なぜか頬を赤らめた。


「べ、別にアンタに関係ないでしょ!」

「ま、まぁそれはそうでしょうけど……」


 うっ……ニコさんは未だにどこか掴みどころが無いなぁ。


「あぁもうっ! どこにいんのよ『レイ』~~~~~っ!!!!」


 必死だなぁ。

 レイ……見つけたらすぐに連絡してあげよう。


「なぁ。これから作戦実行まで突入組はやることねぇだろ?」


 クレナイさんは大剣を構え、


()(どもえ)戦やろうぜ。オレとレンとシキとニコで」

「いいわねソレ」

「ワシも乗った」

「ぼ、僕も大丈夫です」


 四つ巴! 1対1対1対1! 楽しそう!


「決まりだな。イヴァンさんよ、シミュレーターはあるかい?」


 シミュレーターはオリジナルのステージにスペース・ガールを飛ばす装置だ。デスぺナ無し、アイテムやエネルギーなどの消耗無しで模擬戦ができる。ランクマッチではこれをさらに大規模化させた物が使われている。


「地下にあるぞ~。自由に使ってくれぃ」


 それから決行日まで、メカニック組は対ナドラ研究所用の兵器を作り、他の4人はひたすら手合わせをして戦闘技術を磨き上げた。


 8月11日――召喚状を送る日がやってくる。

【読者の皆様へ】

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