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【書籍化決定】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
C級ランクマッチ編

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第53話 最終決戦

 すぐに丘から降りなければならない。だけど山は円を描くように火事になっている。

 スペースガールの体と言えど、火炎に突っ込むのは――どうなんだろう?


 僕は通信機を起動する。


「チャチャさん、炎に触れるとダメージは受けますか?」

『受けるよ。1秒炎に触れると耐久値10は減るかな。最悪状態異常(バグ)も発生するよん』


 無理やり突破するのは得策じゃないね。


「わかりました」


 避けた方が良さそうだ。

 即断即決。僕は丘を滑り落ち、森に入る。


(上から見た感じ、この直線は木が少ない。正面の燃えている木さえ何とかすれば、そこからは湖まで障害物はない)


 正面、燃え盛る木々の根もとに向かってグレネードを投げる。爆風で燃える木と火炎を吹き飛ばす。それでも2メートル程の高さの火炎は残るけど、これぐらいならスラスターで飛び越えられる。


「……スラスター!」


 スラスターで火炎を乗り越え、湖に向かって走る。

 正面は一切火も木も無いけど、左右は凄い火事だ。背の高い木が燃えている。急がないと――


「!?」


 ドォン! と砲撃音が鳴った。


 ツバサさんから放たれた砲撃が、僕の左右の木々の幹を破壊した。


「しまった……!」


 左右の燃えている木々が僕に向かって倒れてくる。


(この抜け道はわざと残していたんだ。ここに僕を誘って、アイギスの砲撃で左右の木々を倒して下敷きにするために!)


 左右の木の列全部やられた。まずい、どうする。


 迎撃――ダメだ数が多すぎる。

 防御――シールドピースはもうない。


(全て迎撃は不可能! なら必要な分だけ取り除く! 足は止めない。足を止めて僕に降りかかる木々を粉砕した所で周囲を火炎で囲まれて焼き討ちされるだけ。まずここから湖までのルートを決める。その後でルートの妨げになる木々を特定! 後は全身全霊で障害となる木々を排除する!)


 バレットピースを射出。右手にアサルトライフル、左手にスナイパーライフルを装備。


一斉射撃(フルバースト)だ!!」


 走りながら倒れてくる木々を銃撃していく。

 バレットピースは充電してすぐ射出。アサルトライフルとスナイパーライフルはエネルギーがある限り撃ち続ける。 

 燃えた木片が肩に、頭に当たる。装甲が焦げ、耐久値が少しづつ削られていくが気にしている暇はない。


「だああああああああああああああああっっっ!!!!」


 残り100m――70――50――


(残り20m!!)


 だがそこで、正面に燃えた木々が倒れ込み、進路を塞いだ。


「ワンオフ式サーベル!!!」


 サーベルを出し高出力モードに移行。破壊力最大の一太刀で火炎の壁に進路を拓く。


 アサルトライフルEN切れ。バレットピース2基損失。サーベルEN切れ。シールドピース全損。

 残った武装はライフル、M1911、バレットピース4基、ダストミラージュ。

 武装の半分程が使用不可となったけど、ようやく――辿り着いた。


「お待たせしました。ツバサさん」

「さぁ、遊ぼうか。シキちゃん」


 ツバサさんは盾4枚、シールドピース40基程、他武装は無し。右腕も無し。

 距離30m。環境――足下に湖、空は夕暮れ。周囲は燃え盛る森。遮蔽物は無し。


(アサルトライフルのチャージが終わるまで40秒。この40秒を凌ぐ)


 動き出す。


 迫る盾3枚。盾の突撃を躱し、スナイパーライフルでツバサさんを狙うがツバサさんの手元のアイギスで銃撃は防がれ、そのアイギスから砲撃による反撃が来る。弾速は遅いが威力は高い攻撃だ。僕はスラスターを使って弾を躱し、さらに距離を詰めようとするけどアイギスに進路を塞がれてしまう。


(M1911!)


 僕がM1911を抜くと、ツバサさんは盾を僕から離れさせた。僕が発砲すると盾もツバサさんも実弾を全力で回避する。


(やっぱり実弾だとこの距離でも余裕で躱されるね。当たることはまずない)


 僕はさらに3発撃つも、全部躱される。


(牽制にはなる、か)


 僕は1度M1911をリロードし、弾数をMaxにする。


(アサルトライフル解放)


 チャージが終わったアサルトライフルで猛攻を仕掛ける。ツバサさんはアイギスでアサルトライフルの射撃を弾く。


(バレットピース!!)


 バレットピースで角度をつけ射撃。しかしそれはシールドピースに防がれる。


「っ! 硬い!!」


 飛び交うバレットピースとツバサさんのアイギス。一進一退の攻防が続く。

 僕のバレットピースが2基破壊される。だが同時にアイギスも1枚割れた。

 ツバサさんがアイギスを2枚、突進させてくる。僕は姿勢を低くし、スライディングしてアイギスの下を通って回避する。


(アイギスの連携に淀みができた! 行ける!!)


 僕はアサルトライフルを持って突進する。アイギス3枚の内2枚は僕の後方だ。あと1枚突破できれば……!



「ねぇシキちゃん、奥の手を持つのは君だけじゃないんだよ」



 思わず、目を見開いた。

 ツバサさんは――サブマシンガンを一丁、実体化させ、左手に装備した。


(ウエポンプラス……武装枠を拡張させて、そこにサブマシンガンを入れた!?)


 ツバサさんはサブマシンガンを連射させる。


(射撃のレベルは低い。ギリギリ避けれる!!)


 僕はサブマシンガンの攻撃を横に加速して避ける。けれど、避けた弾丸は僕の後方にあったアイギスで反射された。


(アイギスで跳弾!?)


 跳ね返ってきた弾丸に、僕は左腕とアサルトライフルを破壊された。


『エリアの縮小を始めます』


 システム音声が頭に響く。最後のエリア縮小が始まる。

 あと1分で、セーフティエリアが消失する。

【読者の皆様へ】

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― 新着の感想 ―
手札を隠してたってよりもシキちゃんの戦いの為に用意したって言う方が正しい気がする
更新お疲れ様です。 やっぱり向こうも手札隠し持ってますわなそりゃ…。この(炎のせいで物理的にも)肌がひりつくタイマン、勝利の女神はどちらに微笑むのやら? それでは今日はこの辺りで失礼致します。
セーフティーエリアの消失パターンは予測できるものなんだろうか?でもシーナさん達からそんな話出なかったしなぁ… ツバサさんの待ち構えているところに向かってエリアが消えていかなければこの戦法は容易に破綻す…
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