第241話 連携勝負
僕&ロゼッタさんvsシーナさん&ガーネットさん。
僕とシーナさんは下がり、ロゼッタさんとガーネットさんが前に出る。
「どっかーん!」
ガーネットさんは大量のミサイルをばら撒く。
「いきなりかい!」
ロゼッタさんはヘッドマシンガンでミサイルを処理していく。
「残りは僕が処理します! 前に出てください!」
「了解! シーナ君が邪魔だ、牽制してくれ!」
「はい!」
シーナさんは二丁のハンドガンで援護するスタイル。僕はアステリズムでミサイルを処理しつつ、スタークでシーナさんを牽制する。
「流石の精度ですね、シキさん」
「隙をつかないと当たりませんよね……」
僕とロゼッタさんは連携して動く。
「ロゼッタさん! ガーネットさんを押し込んでください!」
「はいはい!」
ロゼッタさんがガーネットさんに接近し、ガーネットさんを下げさせる。
「シキ君、上だ!」
「はい!」
ロゼッタさんの上を取ったシーナさんを僕がアステリズムで追い払う。
「パターン16!」
ロゼッタさんの戦術指定。打ち合わせ通りの連携パターンを実行する。
僕がシーナさんの正面を、ロゼッタさんがシーナさんの背後を狙う。
「甘い」
シーナさんは両手の銃をそれぞれ僕とロゼッタさんに向け発砲。僕らは弾を避けるが、回避後の隙を超高速のアタックピースに狙われた。ロゼッタさんはシールドピースで防御。僕はアステリズムのレーザーで弾幕を張り、アタックピースを引かせる。
「パターン8!」
「はい!」
僕は敢えてシーナさんとガーネットさんの有効射程に入り、2人の攻撃を誘導する。僕が攻撃を捌いている間に、ロゼッタさんがガーネットさんの死角を狙う。
「させません」
シーナさんは右手にサーベル、左手にシールドを持ってロゼッタさんの前に立ちはだかる。
シーナさんは片腕のロゼッタさんと互角の接近戦を繰り広げ、最後はロゼッタさんの体をシールドで殴り飛ばした。
「連携はまだまだですね」
(シーナさんの対応力が高すぎる! どのパターンもまるで通じない!!)
連携の練習はした。想定通りに動けている。
なのに、シーナさん&ガーネットさんコンビに押される。
「そろそろ使いますか」
シーナさんが遂にあの魔武装を持つ。
超高速の電磁の弾丸を放つ――
「レールガン!?」
「アレはまずいねぇ!」
狙いはロゼッタさんだ。
ロゼッタさんはレールガンの充填具合から発射のタイミングを読み、発射する寸前に弾道から回避。レールガンを見事避ける。けれど回避後の隙をガーネットさんに狙われてしまう。
「どっかーん!」
ラピットミサイルとバズーカピースによる多角的攻撃。僕が対処に動く。スタークとアステリズムを使ってミサイルの4分の3は撃墜できたけど、残りの4分の1は取り逃してしまった。ロゼッタさんはなんとかスラスターで飛び退くも、バズーカピースの1撃を喰らってしまう。
「ちぃ!」
イヴさんの言う通りだ。好き勝手暴れてくれる……!
「やり過ぎです!!」
僕はスタークとアステリズムの一斉発射でガーネットさんを狙う。
「あははははははははは!!!」
ガーネットさんはアクロバティックに動き回り、僕の射撃を全て躱してしまう。
「あの動きでなんで避けられ――」
右から二丁拳銃による乱射。Δシールドでレーザーを弾き返す。
「今のタイミングでもダメですか」
「油断も隙も無い……!」
ロゼッタさんは僕の目の前まで下がる。
「ふぅ! やれやれ、手強いな」
「どうしましょう。このままじゃまずいですよ」
連携力に差があり過ぎる。
恐らく2人共、長い間ランクマッチをやってきた人達。チーム連携のレベルはこちらより二段も三段も上。個人技に持ち込む隙すら与えてくれない。
僕とロゼッタさんは1度回避に専念する。
弾幕を回避しながら主戦場(本隊同士がぶつかる戦場)の方へ飛んでいく。
「シキ君、テレパシーをしようか」
「わかりました! ……はい!? な、なに言ってるんですか! ピンチ過ぎて頭が変になりましたか!?」
「落ち着きたまえよ。まぁ聞け」
ミサイル群が飛んでくる。
僕達はミサイルの隙間を縫って飛び、話を続ける。
「現在我々は予め作っておいたコンビネーション戦術を使用している。だが、完成された戦術を使うせいで対応力に欠ける。しかも戦術を切り替える際に明確な隙が生まれている。我々の連携には柔軟性と連続性、両方が欠けているわけだ」
概ね同意見。だけど、
「それは……仕方ないですよ。だって、仮に打ち合わせ無しで連携したらお互いの戦術がぶつかり合って酷いことになりますよ」
「ぶつかり合うことは無いさ。テレパシーすればね」
本当に何を言っているんだろうかこの人は。
「テレパシーできれば戦術の『切れ目』は無くなり、柔軟性も増す」
「は、はい……」
それはそうですけども。
「でも、できないことを考えても仕方ないじゃないですか……」
「できるんだよ。吾輩達なら、疑似的なテレパシーがね」
「ど、どうやって……?」
「君は吾輩の『最善の行動』を想像し、その行動に合わせた『最善のサポート』をしてくれ。吾輩も、君が最善のサポートをすると思って、『最善の行動』をする」
「え? ええ???」
「あらゆるシチュエーションにおいて選択肢は無限大だ。しかし、最高の選択肢は常に1つ。ならば、最高の選択肢で待ち合わせすれば戦術がぶつかることは無い」
ダメだ。うまく理解できない……。
「ほら、マークシートのテストがあるだろう? アレの98点の答案のバリエーションは多く存在するが、100点の答案のバリエーションは1つ。それと同じさ。98点の答案の内容を裏向きの状態で当てるのは無理だが、100点の答案なら問題から確定できる。無論、問題を完璧に解けるだけの能力があればの話だけど」
え~と、つまり?
「最適解は1つ……奇策などは考えず、正攻法の1番上で待ち合わせれば……」
例えば対戦ゲームで、相手が隙の多い大技を振ってきたとする。
その際の選択肢は多くある。無敵時間の長い技を被せるか、離れて飛び道具で削るか、あるいはガードでジックリ耐えるか。だけど最善はきっと、ジャストガードして最大火力のコンボを叩き込むことだ。選択肢は多く存在するけど、最善はそれだ。一択しかない。『最善』なら確定で読める。
互いが互いの最善手を読み切り、実行することができれば――
「そう。奇策では無く最善策、最強では無く最高、鬼才では無く秀才だ。ジョーカーでは無くエースだよ! シキ君!!」
言っていることは半分ぐらいしか理解できていない。
だけど、やることはわかった。
(相手の『先』だけでなく、ロゼッタさんの『先』も見て合わせる。ロゼッタさんが目の前にある多数の未来から、『最善の未来』を選択すると信じて、その未来に合わせた動きをする!)
「名付けて『フルスコアコンビネーション』! レディッ!! ゴー!!!」
僕達は体の向きを反転させ、シーナさん達に立ち向かう。
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