第24話 楽しいお買い物 前編
7月31日。
昨日はスペシャルミッションをクリアしたり、ランクマッチに出たりと忙しかった。
今日は1人、ぬくぬくとレベル上げメインでプレイしよう。
「このカプセルベッドも慣れたな~」
ログインしてすぐ、僕はシーナさんの用意した『宿題』をチェックする。
~~~宿題~~~
・レベル30以上
・レーダー130以上 装甲30以上
・拡張パーツ『強化レーダー』装備(ショップに売っております)
~~~~~~~~
これがメッセージで送られてきた宿題。
レーダーは130以上あるとステルス性の高いロール(スカウター等)以外は大抵抑えられるらしい。ステータスポイントが9あるので、その内の6をレーダーに入れ130にする。
次に装甲だ。装甲は20だとハンドガン(フルオート)2発で1部位の耐久値が0になるが、30あると2発耐えきれるらしい。他にも装甲値30だとギリギリ耐えられる攻撃が幾つかあるそうだ。とりあえずステータスポイントの残り3を装甲値に入れる。
--------------------------------
PN:シキ
LV:11
ROLE:スナイパー
TIP:21390
装甲:20×1.15(23)
スラスター出力:40
スラスター容量:80×1.5(120)
精密性:80×1.55(124)
レーダー:100×1.3(130)
ステルス性:60
EN容量:60
武装
スロット1:アーミーナイフ(ナイフ)
スロット2:M1911 G-AGE (ハンドガン)
スロット3:ダストミラージュ(特殊外套)
スロット4:SCH-100+(サーベル)
スロット5:null
スロット6:null
スロット7:null
スロット8:null
拡張パーツ
スロット1:null
スロット2:null
スロット3:null
--------------------------------
ステータスとレベルは機世獣を狩りまくれば条件を達成できる。問題は拡張パーツというやつだ。説明書曰く、
『拡張パーツはショップやミッションクリア報酬、ドロップなどで手に入ります。装備することでスペースガールの能力を拡張することができます』
いまいち要領を得ない。ショップに行って実際に見てみよう。
インフェニティ・スペース、2度目のショップ訪問。
拡張パーツの販売コーナーに足を運ぶ。
武装と同じように保存液入りケースに拡張パーツは浮かんでいる。どれも宝石のような見た目だ。
「あった」
拡張パーツ:強化レーダー……スナイパー&スカウター専用。レーダーの索敵範囲を250mから500mに拡張する。装備枠2枠使用
(つっよ……!)
索敵範囲2倍って、やばいぞ。レーダーの数値が高いスナイパーにとっては必須級のアイテムだ。宿題に入っていたのも頷ける。
ただ値段が高い。50000チップだ。
他にも拡張パーツを眺めてみる。
・ウエポンプラス……武装装備枠を2枠増やす。
・守護神……ガードナー専用。シールドピース及びシールドの装甲値に自身の装甲値の10%を加算する。装備枠2枠使用。
・ウェイトマイナス……ボマー専用。武装の重量を70%減少させる。
・遊泳装甲……無重力化におけるステータスマイナス補正を解除する。
・耐熱装甲……熱ダメージを軽減する。レーザー系武装のダメージも20%カットする。大気圏突入には必須。宇宙船ではなく肌で大気圏を味わいたい貴方に。
・ジャミング装甲……200m以上離れた機体のレーダーに映らない。装備枠2枠使用。
・バックアイ……頭の後ろに目に見えない程の小さなカメラを装着する。凡人が背面撃ちを味わいたいなら必須。
・○○強化コア……指定のステータスを30アップさせる。
・○○強化コアMark2……指定のステータスを80アップさせる。装備枠2枠使用。
※重複する拡張パーツは装備不可。
うーわ。どれも強いし、これレーダー強化が最強ってわけでもないね。厄介なことにレーダー強化には明確な対策パーツのジャミング装甲がある。レーダー強化とジャミング装甲を両立できないのは絶妙なバランスだね。
『守護神』とかシンプルに書いていることがやばい。それにウエポンプラス……スロット拡張も中々だ。
最初の街で買える拡張パーツでこの性能だもんな……。
(そっか。シーナさんが武装を9つ持っていたのはウエポンプラスで枠を増やしていたからか)
そうなるとシーナさんはもう1つ武装を持っていることになる。
(一旦保留かな)
強化レーダーともう1つ買うとしたら7万~10万は必要になるからね。お金を稼いでからまた来よう。
次に武装の売り場に足を運ぶ。
無論、今回の話で出てきた拡張パーツは1部です。でも拡張パーツはそこまでインフレはしない(予定)です。ランクマッチ戦前に拡張パーツをシキに渡さなかったのは拡張パーツは装備するのに時間がかかるためです。それについてはまたいずれ。
バックアイは装備すると視界の端に小さく背後の画面が出ます(ON/OFF自由)。画面の位置・大きさは脳波で操作可能。かなり上級者向けの装備で、下手に使うと画面酔いしたり画面が邪魔で反応が遅れたりします。「後ろにも目をつける」を実現できるロマンパーツ。1枠使う価値があるかどうかは本人次第。