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【書籍化決定】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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200/202

第199話 やりませんか?

 一回戦を終えた僕達はオケアノスへと帰還することになった。

 来た時と同じようにサブシップで帰りたかったのだが、六仙さんから招集がかかった。僕は今、スピカ・セーラスの艦長室に居る。


「今回は部下が迷惑を掛けたね」


 開口一番謝罪された。


「いえ……なんとかなりましたから、大丈夫です。それより」

「わかっている。第二戦の話だろう?」


 そう。今回の戦いではカムイさんとチャチャさんの存在が大きかった。なのに、次からはその2人はいない。

 しかもミフネさんもいなくなったから隊長の座も空白だ。


「先に聞きたいんだけど、どんな人材が欲しい?」


 欲しい人材……。

 今回の戦いで足りなかったものと言えば、


「指揮能力の高い人、エース級のプレイヤー、回避センスのある操舵手。それぞれ最低1人は欲しいです」

「ふむ。ミフネ君の穴を埋めるために指揮官は必要だね。次にエース級か。エース級、というのはどれぐらいを想像している?」

「単独でサブシップを落とせる人です」

「要求が高いな……」

「今回の戦いでわかりましたが、この対戦形式だとサブシップの役割が大きいんです。メインシップと違って落ちても負けでは無いから、かなり自由に動かせる。それでいて、戦場の支配率は高い」


 将棋で言うならサブシップは金と銀。メインシップ含め5隻で連携されると付け入る隙が全然無い。


「サブシップ1隻落とすだけでもかなりの価値です。なので、サブシップを落とせるカードは多く持つ必要があります。僕や戦艦だけでは限界があります。あ……別に、僕がエース級と言っているわけでは無くてですね……」

「なるほどね。理解した。操舵手を求めるのもその辺が理由かな?」

「はい。こっちのサブシップを活かすために、優秀な操舵手がもう1枚は必要です。今のメインシップの操舵手の方は良い腕しています。ただ、サブシップ4隻の操舵手は……えっと」

「いいよ。気を遣わなくて」

「あまり、お上手では無いかと……」

「そうだね。精鋭ではあるが、潜水艦ばかり乗っていた弊害かなぁ。水中や宇宙ならともかく、空中はまだまだ不慣れらしい」


 サブシップが1隻でも機敏に動けていたなら、終盤の窮地は無かっただろう。

 操舵が上手い人がもう1人、確実に必要だ。


「オーケー。全部理解した。問題はそれらの人材をどう集めるか、だね。オケアノス内にもまだまだ眠っている人材は居ると思うけど……」

「あ、あの……六仙さん。この代理戦争って、オケアノスに長く住んでいれば参加できるんですよね?」

「そうだよ」

「ぼ、僕……推薦したい人が3人います」

「へぇ。オケアノス軍の中にかい?」

「……えっとぉ……1人は一般人で、後の2人は……軍の真逆というかぁ…………テロリストというかぁ……」

「なんだって?」


 僕がその3人の名前を言うと、六仙さんは頭を悩ませた。


「……さすがに、厳しいが……しかし、彼女達を味方にできれば、戦力はアップするなぁ……いや、1人はいいんだ。1人は全然いい。けど、残りの2人がちょっとなぁ……」

「勝つためです!」


 僕が勇気を振り絞り大声で言うと、六仙さんは観念したように笑い、


「了解だ。一時的に釈放ってことで」

「ま、待ってください。あの、その……もしも優勝できたら、一時的ではなく、完全に釈放して欲しいんです。なにかしら報酬が無いとあの人達も本気でやらないと思いますし……お願いしますっ!!!」


 六仙さんは何かを察したのか、全身を脱力し、天井を見上げた。


「な~るほど。な~~~~~るほどね。君の狙いはわかったよ。そうかそうか。本来なら、許すべきでは無いんだろうけどね。しかし、想像してニヤけてしまったよ。『面白い』と思ってしまった」

「六仙さん……!」

「僕も見てみたい。君達が暴れる姿を、()()にね」



 ---



 オケアノスにある監獄・ヴォルテックス。

 その一室に、3人のスペースガールを集めてもらった。


 僕は3人を集めたその部屋の前で立ち尽くしていた。


「……全員顔見知りだけど、なんだか緊張するなぁ」


 勧誘って、こんな緊張するものなんだ。

 よくシーナさんは平然とできていたなぁ。


「こんなんじゃダメだ。気合注入!」


 両頬を叩き、気合を入れる。


「よし」


 扉のロックを外して中に入る。


「お、お待たせしました。皆さん」


 1人は、ピンクと青の二色の髪で、マントを羽織った人。

 1人は、白衣を着たお姉さん。黒髪で、インナーカラーは黄緑のボブカットの人。

 1人は、白髪ポニーテールで、死んだ目をした小柄の人。口にはタバコを咥えている。


 ラビちゃん、ロゼッタさん、イヴさんだ。


「シキちゃーん!!!」


 と抱き着きに来たラビちゃんを僕は躱し、部屋の中心へと歩を進める。


「やぁシキ君。また会えてうれしいよ」

「僕もです。ロゼッタさん」

「こらシキ! あたしをこんな化物どもと同じ部屋に放置するなよ」

「あはは……すみません。イヴさん」


 世紀の大怪盗ラビリンス。

 メーティス軍・総指揮官グリーンアイス。またの名をロゼッタ。

 僕が知る限り最高のドライバー、イヴァン。


 この3人こそ、僕が推薦した人達だ。


「話は聞いたよシキちゃん! 代理戦争に、私達の力を借りたいんだってね!」

「うん。でもねラビちゃん、それだけじゃないんだ」


 僕は3人の前に立ち、告げる。


「ラビちゃん、イヴさん、ロゼッタさん。僕と一緒に……ランクマッチ、やりませんか?」

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― 新着の感想 ―
成立したら個性のとんがり具合から言って作中登場のチーム全体で一番凄そうな気がする…w
合わせたらごった煮で、胃もたれしそうだけど得難い成分が豊富な面子が揃っちゃった(仮)
200話おめでとうございます。 >指揮能力の高い人、エース級のプレイヤー、回避センスのある操舵手 他はまだ複数(他星含めりゃそれこそ無数に)答えがあるけれど、最後はもう条件の時点で人員固定でしょ(…
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