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【書籍化決定】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第189話 抽選会

 シキの宣言を受け、それぞれの王は笑う。


「ふははははははは!!! それでこそ私の女だ! プリンセス・シキ!!」

「む~! わたくしより目立つなんて! ムッキー! ですわ!」

「あらあら、若いっていいですね~」

「面白い子ッスね~。眠気も()めましたわ」


 4人の王は芝生フィールドに降り立ち、抽選くじの入った箱の前に行く。

 シキをアスター3に送り届けた六仙も4人に合流する。


「この(たび)はウチのプレイヤーが失礼しました」


 と六仙が言うと、PPPは右手を開き、


「構わない。プリンセスは我儘なモノだ」

「君は一体なにを言ってるんだい?」

「それにしても大胆な子でしたね。ハッタリだとしても、中々言えることじゃありません」


 狐倶里の王・狐姫の発言に対し、六仙は笑ってみせる。


「ハッタリでは、無いかもしれませんよ?」

「ふふふ……それは楽しみですね」


 5人の王の前に、司会者兼実況者のいるかが立つ。


「さぁさ! それでは組み合わせ抽選をやっていきましょう!」


 いるかが抽選箱を持ち、それぞれの王に数字の描かれたボールを引かせていく。


「1と2、3と4が今日の第一回戦の組み合わせになりまーす! 5の人は休みでーす! ではでは! 皆様、数字を発表してくださーい!!!」



 ---火緋色金・メインシップ『クイーンズキャッスル』---



 そのブリッジにて、バニーガールは唇を噛みしめていた。


「……いま、確かにPPP様は言った……! 『私の女』と……!!!」


 バニーガールの名はシノハ。PPPの側近である。


「シキ……お前は、必ず! 私が潰すぅ!!! 潰すったら潰すぅ!!!!!」



---狐倶里・メインシップ『稲荷(いなり)宝船(ほうせん)』---



 そのモニター室で、犬耳の少女は口角を上げていた。


「ええやんシキさん。さすがやわ。あんなこと、普通言えへん。あの口振り的にやっぱ出るんやな……はよ戦いたいな。当たらへんかな。一回戦、ウチらと。あかんわ……めっちゃ楽しみや。待ちきれん」


 抽選結果が発表される。

 犬耳少女・コナもんは結果を見て、表情を緩めた。



 ---



 抽選結果を受け、対戦表が発表される。


 一回戦 ステージA オケアノス vs 狐倶里 

 一回戦 ステージB KnightNight vs フリーパーチ 休み 火緋色金


 二回戦 ステージA オケアノス vs  KnightNight 

 二回戦 ステージB 火緋色金 vs フリーパーチ 休み 狐倶里


 三回戦 ステージA 火緋色金 vs  狐倶里

 三回戦 ステージB オケアノス vs フリーパーチ 休み KnightNight


 四回戦 ステージA 火緋色金 vs  KnightNight

 四回戦 ステージB 狐倶里 vs フリーパーチ 休み オケアノス


 五回戦 ステージA オケアノス vs 火緋色金

 五回戦 ステージB 狐倶里 vs  KnightNight 休み フリーパーチ


 ※ステージAとBの試合は同時刻に行う。



 対戦表の発表も終わり、開会式は閉幕。1時間の休憩に入る。


 休憩中はそれぞれのコロニーの応援団がフィールド上でパフォーマンスを披露する。

 オケアノスは海をイメージしたフラダンスを、火緋色金はロックミュージックを、フリーパーチは人気アイドルによるライブ、狐倶里は獣耳&巫女服の少女楽団による和楽器演奏、KnightNightはホストアイドルによるダンスを順々に披露していく。それぞれの演目で場の熱を上げ、闘士の舞台を整える。



 --- 



 開会式が終わって20分後。稲荷宝船ブリーフィングルーム。

 狐俱里の主要メンバーは王である狐姫の言葉を待っていた。

 狐姫はテーブルの上に水晶を置き、水晶に手を添えブツブツと呟いている。


「……ステージは恐らく樹海、ですね。こちらは森の上、山の近く。あちらは巨大な湖の近くで始まります」


 狐倶里スナイパーのコナもんは、占いをする狐姫を見て、唾を飲み込んだ。


(実際に占っている所は初めて見るわ……迫力ある)


 予言――そんな超常的な(おこな)いを、狐倶里の面々は真剣な顔つきで見守っている。

 彼女達は知っているのだ。これが『ペテン』ではないことを。


「こちらの戦艦の近くには大きな山があります。そこに(ふね)を隠しましょう。相手は……ふふふ。流石は海のコロニーですね。湖に艦を隠すようです。湖に隠れた艦を落とすのは難しい。レーザーの通りが悪いですからね。艦は一旦無視し、まずは地上部隊の殲滅をしましょう。相手は湖に隠れる前にかなりの兵力を地上に放出します。これらを片せば形勢は決まります。最初から狐火(きつねび)を50%の出力で起動し全体を強化。特に狙撃部隊を重点的に強化してください」

「なぜ狙撃部隊を?」


 狐倶里のキャプテン・メインクーンが問う。


「相手に優秀な射程持ちはいません。それでいて、艦を湖に隠すので艦の主砲や対空砲も使えない。遠距離から押せば制圧できます」

「ちょ、ちょっと待ってください!」


 コナもんが口を挟む。


「コナ! キャプテンである(それがし)以外が許可も無く……」

「構いませんよ。どうしました?」

「……優秀なスナイパーは、居ます」


 狐姫は水晶から手を離し、両手を組む。


「シキさんのことですね。存じていますが、私の予知では彼女は出て来ません」

「え……」

「出て来る()()()もありますが、いずれも手遅れになった後です」

「そう、ですか……」

「ただし……出て来た際は全力で囲わないと厳しいでしょう。メインクーンさん、シキさんが出て来た場合は接近してください。被弾も構わず接近です。それもなるべく多勢で。狐火も惜しむ必要はありません」

「承知しました」


 狐姫は真っすぐコナもんを見る。


「コナさん。今回の戦い、あなたの役割は大きいかもしれません。もしも、こちらが敗北するとすれば……あなたが憧れている彼女が要因となる。あなたが彼女をどれだけ抑えられるか、それが勝負の鍵となるでしょう」

「わかりました。シキさんは任せてください。あの人は……1番、ウチが知っとる」

「ふふ。頼みましたよ」


 その後も狐姫は予言を伝え、対策を教えていく。

 最後に狐姫はこう締める。


「私の予知は絶対ではありません。予知から外れた事態が起きても臨機応変に対応するように。エース級が軒並みランクマッチ優先のために抜けていますが、ここに居るメンバーも()りすぐりのメンバーです。最善を尽くし、勝利を掴みましょう」


 全員が「はい!!」と応じ、会議は閉じた。

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― 新着の感想 ―
どの陣営のエースな戦力を程度はアレ、欠くのは変わり無さそうな条件が響いてるって感じ。
手遅れになってから……まあ、初戦だしなあ。 『敗戦、および敗戦濃厚』まで行かないと出てきにくいのは事実か。 ……ただまあ、過去のゲーム内の言動や行動データからの予測、予言っぽく感じるのですよね〜 つ…
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